BtoBの分野で、見込み客を購買顧客に変える仕組み、「マーケティングオートメーション(MA)が数年前から話題になっています。今回の原稿では、このマーケティングオートメーションとユーザー事例の関係について考えてみます。

 ただし筆者は、マーケティングオートメーションの専門家ではありません。そこでまず、マーケティングオートメーションを販売している知人である、IT会社のL社長に質問してみました。

筆者:マーケティングオートメーションでは何が自動化されるんですか?

L社長:マーケティングオートメーションについて教科書的に回答すると「集客から成約までの追いかけ過程の自動化」ということになる。もう少しやさしい言葉で説明すると「うすら冷たい顧客をだんだん温めていくこと」ともいえる。

 ただ自社でマーケティングオートメーションを使って営業を支援している実感でいうと、「(営業担当者が客先に行く)タイミングの判断を自動化できる」というのが、自動化を表現するのに最もしっくりくる。

筆者:「タイミング判断を自動化できる」というのはどういうことですか。

L社長:商売で大事なのは、既存顧客に確実にリピートしてもらいライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を増やすことだ。というわけで顧客には時々、フォローの連絡をして、「最近どうですか?」とか世間話をしつつ、「次の注文そろそろどうでしょう」などと営業活動をしてみたい。ここで重要なのがタイミングなんだよね。

筆者:確かにそうですね。こっちが忙しいときに電話されて「次の注文どうです?」とか聞かれても腹が立つだけですからね。

 あるいはトラブル処理でテンパっていたり、上司に怒られて落ち込んでいたりするときに営業されても受け入れにくいですよね。そう考えるとタイミングは重要ですね。

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