先週末(2016年11月最終週)が「ブラックフライデー」だったこともあり、米国をはじめ海外で、消費者の購買行動に関連する調査やリポートが多く公開され始めた。特に2016年は、前回の記事でも触れたように、デジタルの影響で顧客行動そのものが変化した(参考記事:「米国で「ブラックフライデー」が形骸化し始めた?デジタルシフトで消費者の購買行動が激変」)ことについて言及しているものが多く見受けられる。

 では、具体的に消費者の購買行動は、どう変化しているのだろうか。2016年11月下旬に米Carat社が公開した、英国の消費者を対象とした調査「Retail DNA: The On-Demand Shopper」では、消費者の購買行動でオンラインとオフラインの境界線が、モバイルによって今まで以上に曖昧なものになったと指摘している。

 さらにモバイルの普及は消費者を、自分たちの要求に応じた形で、欲しいものを欲しいタイミングで購入できる状態を望む“On-Demand Shopper”に変えたという。そして、その“On-Demand Shopper”は6タイプに分けられるとしている。

  1. 1.Wishlist Shoppers
  2. 言葉のとおり、「欲しいと思っている商品をとりあえずウィッシュリストに入れておく(だが実際に購入はしない)消費者」を指す。“ウインドウショッピング”をオンラインに置き換えている感覚に近い。英国では、ECサイトで“ショッピングカート”に入った商品の69%が“かご落ち(カート放棄)”しており、その総額は約10億ポンド(約1400億円)と推定されている。これはいわゆる機会損失だけではなく、このWishlist Shoppersによるウインドウショッピングの結果も少なからず含まれているといわれている。
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  4. 2.Prescriptive Perfection
  5. 自分個人に関する様々な情報を、メーカーもしくは小売店に積極的に提供し、より自分の好みに合う商品を選んでもらう、という買い方をする消費者を指す。同調査では「(自分の好みに合う商品を選んでくれるのであれば)個人に関する情報を提供することをいとわない」と回答した消費者が約70%となっていた。自分のニーズを、個人に関する情報も交えて伝えて、適切な商品を選んでもらうという点では、店頭での店員との会話をオンラインに置き換えた形とも考えられる。

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