2~3年前に、特にB2Bビジネスのマーケティング活動で、「コンテンツマーケティング」があちこちで語られていたことがあった。
最近では、コンテンツマーケティングという言葉を以前に比べて耳にすることは減ったが、それはコンテンツマーケティングがデジタルマーケティングの一つの手段として定着してきたからかもしれない。2016年9月末に米Content Marketing Instituteが発表した「B2B Content Marketing: 2017 Benchmarks, Budgets, and Trends-North America」というレポートの冒頭には、「コンテンツマーケティングは“alive and well(未だ健在)”で“on track(軌道に乗っている)”な状態にある」と記されていた。
実際に米国のB2B企業では、コンテンツマーケティングが徐々に有効な手段として定着しつつあるようだ。これらの企業でのコンテンツマーケティングのゴールは、ほとんどが「リードジェネレーション」、あるいは「ブランド認知の向上」となる。このゴールに対して、少なくとも1年前と比べて、自社のコンテンツ戦略やコンテンツ制作が“成功した”と評価している企業は70%を超えている。
こうした評価結果は、予算配分にも表れている。次年度のコンテンツマーケティング関連予算について「増額する」と回答した企業が全体の39%を占めていた。回答企業のマーケティング予算全体に占めるコンテンツマーケティング関連予算の割合は、平均して約29%となっている。
コンテンツマーケティングの効果測定指標として、最も多くの企業が選んだのは「Webサイトのトラフィック」で78%だった。以下「リードの質(57%)」「ソーシャルメディアへのシェア(57%)」「Webサイト上の滞在時間(54%)」と続く。
これは、コンテンツマーケティングの一貫で展開されているコンテンツの多くが「ソーシャルメディア(83%)」「ブログ(80%)」「Eメール(77%)」となっていることに関連している。つまりコンテンツマーケティング向けにコンテンツを制作し、それをソーシャルメディア上で広げ、そこから自社サイト(ブログ含む)へのトラフィックを集めていくという流れだ。
使用されるソーシャルメディアの中で、最も多かったのはLinkedIn(89%)で、Twitter(77%)やFacebook(76%)が、それに続く形となっている。これは日本ではなかなか見られない傾向の一つといえる。