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MarTech拡大を妨げる“過去の成功体験”、企業が「投資に踏み切れない理由」とは

2017/10/03 熊村 剛輔=アドビシステムズ

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 英WARC(World Advertising Research Center)は、2017年9月に発表した調査で(編集部注:調査結果は個人情報の登録後に閲覧可能)、2018年のMarTech(マーテック)市場の規模を予測した(本文では、marketing technologyと表現)。その規模は英国と米国だけで約34億ドル(約3800億円)に達し、この両国では企業のマーケティング予算の16%が、MarTechに対する投資だとしている。

 マーケティング予算の6分の1がテクノロジーに対する投資として使われている計算だ。この数字からも分かるように、企業がマーケティング活動を推進させるに当たって、テクノロジーは欠かせない存在となっている。

 米フォーブスと米neustar社が共同で発表した調査の結果はさらに刺激的だ(編集部注:調査結果は個人情報の登録後に閲覧可能)。マーケティング予算の10%以上を効果測定や分析に配分している企業とそうではない企業との間では、売上目標に対して125%以上の達成率を記録する可能性が約3倍違う(前者のほうが高い)という結果が出ている。

 こういう数字が出てはいるが、積極的にMarTechを導入する企業は、実はそれほど増えてはいない。米Walker Sands Communications社の調査はこの点を指摘する(編集部注:調査結果は個人情報の登録後に閲覧可能)。米国企業で「MarTechに対して自分たちはイノベーター、もしくはアーリーアダプターである」と回答した企業は、全体の半数程度(48%)でしかないというのだ。つまり半数の企業は、いまだMarTech導入に踏み切れていない、もしくは限定的な運用しかできていない状態にある。

 マーケティング予算を効果測定や分析に投資すれば、企業の業績が向上する可能性が高まることは、フォーブスとneustarの調査以外にも多くのところで語られている。しかし多くの企業が投資に踏み切れない。

 その理由は、大きく二つある。一つは「企業が常に(四半期単位での)短期的な結果を求められているため、テクノロジー導入など、すぐに結果が可視化されにくいものが敬遠される」というもので、もう一つは(これも短期的な結果を求められているがゆえに)「過去に成功しているやり方が選択される」というものだ。

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