いまや企業がマーケティング活動の実践にあたって、データは必要不可欠な存在になっている。それはB2CであれB2Bであれ変わらない。

 特にB2Bについては、近年マーケティングオートメーション(MA)が企業に広がるにつれて、どのように関連するデータを集め、それを有効活用していくかが併せて議論され始めている。だが、もちろん、ここに課題はまだまだ多い。

 特にB2Bの領域で、データを活用したマーケティング活動を進める際に、マーケターたちは“二つの溝”を越えなくては、もしくは埋めなくてはならない。一つは「自社と顧客企業との間にある溝」、そしてもう一つは「自社内の営業部門とマーケティング部門との間にある溝」である。

 2017年9月に、米大手信用調査会社のダンアンドブラッドストリート(D&B)社が、米国と英国それぞれ約150社の企業を対象に実施した調査でも、その課題が顕著に見て取れる(編集部注:調査結果は個人情報の登録後に閲覧可能)。例えば「自社と顧客企業との間にある溝」をわかりやすく表しているものが「マーケターとして最も大きな課題」についての回答である。

 ここで最も多かった回答は「自分たちがターゲットとすべき顧客が、はっきり分からない(57%)」というものだった。これにほぼ並ぶ形で「自分たちが使っているデータが、きちんとしたものであるかどうかが把握できない(56%)」という回答が続いた。

 「自分たちがターゲットとすべき顧客が見えず、しかもデータが整っているか確認できない」という状況は、顧客とのコミュニケーションが十分に取れていない、ということを意味している。まさにこれこそが、自社と顧客企業との間に大きな溝が存在しているということだ。

 これには「営業部門とマーケティング部門との間にある溝」も、少なからず影響している。この調査では、約半数の企業(51%)が「この2〜3年間で、営業部門とマーケティング部門のコミュニケーションは改善された」と回答してはいる。しかし実際にマーケティングキャンペーンなどのパフォーマンスを見ると、それほど劇的に状況が改善されたとは言い難いようだ。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。