新しい技術や方法論が出てくるとすぐにそれにまつわる造語が作られ、瞬く間に「バズワード」となり、半ば言葉だけが先行する形で広がっていく。特にデジタルマーケティングの世界では、その傾向が強いように思える。

 先日、本連載で「MarTech(マーテック)」について、少し触れた(参考記事:世代交代でミレニアルたちが“意思決定者”に、新たなイノベーションが旧モデルを駆逐)。MarTechを筆者なりに定義すると、「高速かつ効果的なビジネス展開を目的に、企業がマーケティング活動にデジタル技術を取り入れること、またはその技術」となる。

 ここ最近はこれだけでなく、「×××Tech」というように「Tech」が付く用語が流行っている。例えば「FinTech(フィンテック=ITを活用した新しい金融サービスや要素技術)」や「InsTech(インステック=FinTechの中でも特に保険ビジネスに特化しているもの)」などが、その典型的な例だろう。

 そして、最近になってよく見かけるようになったのが「MadTech」だ(編集部注:MarTechと一文字しか違わないのでお間違えなきようお読みください)。

 これはMarTechと「AdTech(アドテック=インターネット広告における広告流通や配信技術)」を組み合わせた、いわば造語の造語である。これまでオンライン広告周りの技術であるAdTechと、MA(マーケティングオートメーション)やCCCM(クロスチャネル・キャンペーン・マネジメント=複数の顧客接点をまたいで顧客とコミュニケーションを取ること、またはその技術)関連の技術は、別々に語られることが多かった。

 そしてMadTechは、これらが融合したものである。例えば「広告配信プラットフォームとMAプラットフォームの連携や統合」などが、これに当てはまる。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。