いよいよ今週(現地時間で2016年8月5日)、リオデジャネイロオリンピック(リオ五輪)が開幕する。思い起こせば、前回のロンドンオリンピックは、企業と個人それぞれでソーシャルメディアの利用が盛んになり始めたタイミングでもあった。当時、そのソーシャルメディア上での盛り上がりが「ソーシャル五輪」という名前で語られていたのが、今では非常に懐かしく思える。
あれから4年がたった今、企業のソーシャルメディア活用は一段と進んでいる。恐らくリオ五輪は、前回大会以上に「ソーシャル五輪」と呼ばれる大会になるだろう。
そういった盛り上がりも予想されている中、2016年7月に米オリンピック委員会(USOC)が一部の企業に送ったレターが波紋を呼んでいる。
米国のスポーツ専門ケーブルテレビ局ESPNが報じたところによると、7月半ばにUSOCが、五輪に関する知的財産権の侵害に関する事前警告的な内容のレターを送付したという。送られた先は、リオ五輪に出場する選手個人とのスポンサー契約は結んでいるが、国際オリンピック委員会(IOC)もしくはUSOCいずれともスポンサー契約を結んでいない企業だ。
そこには、例えばUSOCが商標登録をしている#Rio2016や#TeamUSAといったハッシュタグなども含まれる。つまり、IOCもしくはUSOCとスポンサー契約を結んでいない企業が、自社が運営するソーシャルメディアアカウントで、これらのハッシュタグを使ってコミュニケーションすることは、知的財産権の侵害にあたると警告しているのだ。
その企業の主となる業務がメディアや、それに関連するものではない場合、警告の内容はさらに広がる。企業が運営しているソーシャルメディアアカウントで、オリンピック大会で行われた競技結果について報じたり、あるいはオリンピック公式アカウントからのシェアやリツイートをしたり、オリンピック大会の会場で撮影された写真を使用することも、全て知的財産権の侵害に当たるというのだ。
もちろん、企業はこの警告に猛反発している。