2016年7月22日に日本でもゲームアプリ「Pokémon GO(ポケモンGO)』が配信開始になり、スマートフォンを片手にゲームを楽しむユーザーが街中のあちこちで見られるようになった。“消費者”と“スマートフォン”と“位置情報”が強固に結びつき連携するさまが、改めて分かりやすい形で可視化されたように思える。恐らくこれをきっかけに、位置情報を様々な形でマーケティング施策に活用するケースも増えてくるだろう。

 ただし現状は、位置情報をマーケティング施策に活用する以前に、“モバイル”をきちんと自社のマーケティング戦略に組み込むという課題を抱える企業が多数を占めている。2016年7月に米PointSource社が発表した調査結果によると、米小売業界でも、モバイル活用に多くの課題を抱えているという。

 課題として最も多かったのが「自社のモバイル戦略と、全社的なマーケティング戦略の統合」で、54%の回答を集めた。以下「マーケティング部門とIT部門の連携」(42%)、「社内リソース不足」(24%)、「予算不足」(20%)と続く。

 とりあえずモバイルを活用する方向に進んでみたものの、全社的なマーケティング戦略との足並みがそろわない。しかもIT部門とのコンセンサスが取れず、結果としてモバイル施策が単体で展開されるものになっている――。そんなケースが非常に多い。

 現状で展開されているモバイル関連施策も、「クーポンの配布」(57%)が最も多く、「(ビーコン等を活用した)店内のジオロケーション施策」(22%)などはまだ少ない。ビーコンを活用する場合は、店内のどの位置に設置するか、といった検討が必要になる。

 そして、その際にIT部門との連携が必要になってくる。モバイル施策をマーケティング部門単体で展開しているだけでは、なかなか実現には至らないだろう。

 IT部門との連携が十分にできていないと、現状展開されているモバイル施策のパフォーマンスそのものにも大きく影響する。本調査で、対顧客への課題として最も多かった回答が「モバイルサイトのページの表示に時間がかかっている」(48%)というものだった。

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