2016年は日本でも「MarTech(マーテック=高速かつ効果的なビジネス展開を目的に、企業がマーケティング活動にデジタル技術を取り入れること、またはその技術)」が拡大する兆しが見えてきた(参考記事:「キーワードは「MarTech」、マーケティングの進化をITが切り開く」)。既に業界用語として定着している「AdTech(アドテク=インターネット広告における広告流通や配信技術)」や「FinTech(フィンテック=ITを活用した新しい金融サービスや要素技術)」に比べあまり浸透していなかったイメージはあるが、少しずつ広がってきた。
ただし日本では響きとしては「マーテック」よりも、どちらかと言うと「デジタルマーケティング」の方に馴染みがあるのも事実。いずれにせよ、日本国内でもいくつかの場所で、その流れを実感できるようになってきた。
それは米国でも同様だ。米国の場合、テクノロジーは日本よりも圧倒的に進んでおり、MarTechは既に当たり前のように拡大しているようなイメージがある。ところが意外とそうとも言えない状況が、これまでは続いていた。
米国の広報代理店Walker Sands Communicationsが発表した調査によると、企業のマーケターの44%は「自分が新しいテクノロジーの『アーリー・アダプター』であると思っている」という。ところがこれが“自分が所属している企業”となると、半分以上(51%)が「レイト・マジョリティ」以下だと回答しているという。
しかも半数以上(51%)のマーケターは「自分たちの会社は、MarTechに十分に投資していない」と回答する。さらに42%は「現在自分たちの会社で使っているテクノロジーは時代遅れであり役に立たない」とも回答している。
こういったコメントは、これまで日本のマーケティングの現場でも、以前から聞かれてきた。そしてその状況は、意思決定プロセスについても似ている。