米調査会社フォレスター・リサーチが2016年5月下旬、2016年の米国小売業界全体でECによってもたらされる売上高の予測をまとめた。この結果をまとめた記事(参考)によると、売上高は約3730億ドル(約41兆円)に達し、米国小売業全体の売り上げの11.1%に相当するという。

 この数字は今後も大きくなっていくものと予測されており、2020年には約5300億ドル(約58兆円)に達するとされている。2006年にECでの売り上げが1000億ドル(約11兆円)を超えて以来、15年弱で市場規模は5倍以上に膨れ上がることになる。

 単にECによる売り上げの規模が大きくなっただけではない。直接的なEC売り上げのおよそ4倍に相当する約1兆5000億ドル(約165兆円)は、“web-influenced”であるという。つまりwebサイトやソーシャルメディアなどがもたらす情報が、何らかの形で購買に影響していると指摘されている(参考)。

 “web-influenced”とは、「商品詳細情報の検索」や「価格の比較検討」、「店舗の場所の検索」などWebでの活動を購買プロセスに含む、実店舗による売り上げが当てはまる。“web-influenced”な売り上げにECでの売り上げを加えると、米国小売業全体の売り上げの半分以上は、何らかの形でデジタルマーケティングの影響を受けていると言い換えられる。

 ここで、特に重要なのがモバイルだ。“web-influenced”の大半はモバイルによってもたらされるといわれている。

 例えばECサイトをモバイルに対応させるなど、ECサイトとモバイルを巡る議論になると、よく出てくるのが「全体の売り上げに対してEC売り上げの割合が少ない」という指摘。その結果、Eコマースひいてはデジタルマーケティングそのものに対する投資やリソース配分が軽視されることになる場合も少なくない。

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