「あなたの会社は、きちんとしたデジタルマーケティング機能を持っていますか?」こういう問いを投げかけられたら、どう答えるだろうか。自信を持って「持っている」と回答する企業もあれば、「いや、うちはまだまだ……」と回答してしまう、自己評価の低い企業もあるだろう。

 これを世界的に見た調査がある。米ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が、世界41カ国にある141の広告主企業2200人と、世界28カ国にある126の広告代理店2900人を対象に実施した調査によるものだ。調査結果を見ると、各社の自己評価は全体的に低いものとなっており、広告主企業では特に低い傾向が顕著に見える。

 調査ではデジタルマーケティングを「Plan(計画)」「Act(実行)」「Measure(計測)」の3要素に分け、それぞれの要素をさらに3領域で評価している。具体的には、以下の通りだ。

[Plan]
マーケティング、およびブランド戦略(Marketing and brand strategy)
パートナーとの協業(Partner management)
実現要素(Enables)
  
[Act]
ターゲティング(Digital targeting)
デジタルコンテンツ(Digital content)
デジタルチャネル(Channels----ただしSearch、Website、Display media、Mobile advertising、Moblie web and apps、Social Media、Videoについて個別に調査)
  
[Measure]
指標と計測(Metrics and measurement)
分析(Marketing analytics)
テスティング(Testing)
  

 調査対象者に、これらの項目を100点満点で採点してもらったところ、全体の平均点は広告主企業で56.9点、広告代理店で67.8点となった。調査結果で、広告主企業と広告代理店の双方で特に低かった項目は、デジタルチャネルの中の「Mobile advertising」「Moblie web and apps」と「テスティング」だった。特にMobile advertisingとテスティングは、広告主企業の自己採点が50点を下回っている。

 自己評価の高い分野と低い分野の傾向は、広告主企業も広告代理店も同様だ。ただし全体の平均点にも表れているように、広告代理店企業の方が、全体的に10点ほど高く出ている。

 調査は自己評価によるものなので、一概に広告代理店が広告主企業よりもきちんとしたデジタルマーケティング機能を有しているとは限らない。それでも、少なくとも広告主企業は、自信を持って今よりも高い自己評価を出せる状況を、自ら作り出していく必要がある。そうしないと、協業する広告代理店やその業務を、うまく評価できないことになりかねないからだ。

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