2016年4月、全米広告主協会(ANA)が「ブランドアクティベーション」に関するリポートを発表した。これは「U.S. Brand Activation Marketing Forecast (2016-2020)」というタイトルで、ブランドアクティベーションの定義と範囲、そして関連するデータから今後の予測までを幅広く網羅したものとなっている。
企業のマーケティング活動の一部であるブランドアクティベーションは、これまで米国でも、あちこちで様々な定義や解釈が飛び交ってきた。今回ANAという強い影響力を持つ団体が初めて、きちんとした定義と関連するデータを発表したことは、非常に意味があると考えられている。
今回ANAが定義したブランドアクティベーションとは、「(広告以外の方法で)ブランドのイメージを定着させ、消費者に特定のアクションを取らせるための一連の活動」であるという。具体的には「リレーションシップマーケティング」、「コンテンツマーケティング」、「インフルエンサーマーケティング」、「プロモーショナルマーケティング」、「エクスペリエンシャルマーケティング(イベントなどの体験が伴うマーケティング活動)」、「リテイラーマーケティング(店頭でのマーケティング活動)」という、6領域に分かれている。
これら6領域は、さらに32の細かな活動に分かれている。例えばインフルエンサーマーケティングには、「PRおよびコーポレートコミュニケーション」や「ソーシャルメディアマーケティング」などの活動に分けられる。リテイラーマーケティングには「店内でのモバイル活用」や「POPおよびカスタマーディスプレイ」などを含んでいる。
そして米国の広告主企業が2015年にブランドアクティベーションに投じた金額は、過去最高の約5600億ドル(約62兆円)でマーケティング総予算の60%を占めるまでになっている。ちなみに残りの40%は広告費が25%で、拡売費(Trade Promotion)が15%になる