これから先のマーケティングを考えるに当たって「モバイル」は非常に重要な要素となってくる。これは今に始まったことではないが、企業がモバイルを味方に付けた上でマーケティング活動を展開しているかといえば、それは別問題だ。
2016年4月に米オンラインメディアのClickZが発表した、米国のマーケターを対象に実施した調査でこんな結果が出た。「自分たちはモバイルを活用したマーケティング活動に関してはビギナーだ」という回答が半数を超えていた(56%)のだ。
ここで言う「ビギナー」とは、自分たちが全体のマーケティング戦略にモバイルを統合された形で組み込めていない状況にあることを意味している。あまり大きな結果を出せておらず、基本的には場当たりな展開になっているようだ。
ある程度の結果は出せたが、まだマーケティング戦略にしっかりと統合できているとはいえない、「中間」にあるとした回答は31%、そして、結果も出せておりマーケティング戦略の中にモバイルを統合した形で組み込んでいる「高度」な状況とした回答は、わずか13%にとどまっている。
展開しているモバイル関連施策の大半は広告となっており、Facebookをはじめとしたソーシャルメディアへの出稿が多くを占めている。2016年に予算を増額させた広告予算は、「運用型モバイル広告(Facebookなどのソーシャルメディアへの広告も、ここに含む)」そして「モバイルに特化したアドネットワーク」が上位に入っている。
実際、企業がモバイルへの広告戦略を考えるに当たって、Facebookは欠かせないものとなっている。Facebookの閲覧の80%近くはモバイルからと言われている。Facebookの売り上げに占めるモバイル広告の割合が、2015年11月時点で約80%という数字もその事実を裏付けている。