特定の製品やベンダーに依存しないIT関連資格・認定などをてがけるITの業界団体「CompTIA(The Computing Technology Industry Association=コンピューティング技術産業協会)」の米国本部は、毎年「Cyberstates」と題したリポート(編集部注:資料ダウンロードにはサイトへの登録が必要)発表している。2017年で18年目となる。

 同レポートは、米国内の技術系労働市場の概況を州ごとに取りまとめており、技術系の雇用者人口や求人、そして平均給与の推移までを細かく確認できる。IT業界の景気動向も、このレポートからある程度は推量できる。

 3月末に発表された2017年の「Cyberstates」を読み込むと、昨今の米国企業の「デジタルトランスフォーメーション」、つまりデジタルによる企業そのものの変革の流れが、労働市場に大きく影響をもたらしている状況が見て取れる。技術系雇用者人口が増えているというだけではなく、その内訳が変わってきているのだ。

 Cyberstatesによると2017年の技術系雇用者人口は、全米で約730万人。そのうち約690万人が、いわゆる技術系の企業によって雇用されていたり、もしくは起業していたりする、いわゆる“IT業界”の人とされている。

 では690万人に含まれていない、残りの約40万人はどういった人たちなのだろう。これは非技術系企業に雇用されている技術系職員であると考えられている。その数は増加の傾向にあるようだ。

 この約40万人は非技術系企業に雇用された、社内の情報システムの担当者だけとは限らない。例えば自動車メーカーでIoT(Internet of Things)に関する研究や開発などに携わっている人や、金融系企業でAI(人工知能)を活用したサービス開発などに携わっている人などが当たるだろう。そしてこうした役割を担う人が、ここ数年で大きく増えている。

 もちろんマーケティングに関する領域でも多くなっている。例えば小売企業で顧客向けのスマートフォンアプリを開発するデベロッパーや、ウェブサイト分析あるいは、マーケティングオートメーションツールを運営管理する担当者も、この中に含まれる。企業によってはデータサイエンティストもこの中に含まれてくる。

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