デジタルマーケティングの推進に当たって、インフラを含むデジタルマーケティングツールの活用は、もはや避けては通れないものとなっている。

 ツールの導入は、ツールそのものの機能や使い勝手などのよし悪しだけではなく、自社のビジネスや業務プロセスとの相性がその結果を大きく左右する。このため複数の部門で使うツールの場合、社内の各部門から代表者を選出し、互いに意見を交えながらツールを取捨選択することになる。こうした活動は米国も同様にあり、検討する組織は「バイイングコミッティー(購買委員会)」となどと呼ばれる。

 そのバイイングコミッティーのあり方にも変化の兆しが見えている。米LinkedInが2016年10月に「過去1年間に、自社にツールを導入した際に意思決定、予算配分、実装など何らかの形で携わったことのある人」を対象に実施した調査(編集部注:資料ダウンロードにはサイトへの登録が必要)で、“バイイングコミッティーを構成するメンバーが、業務的そして世代的に幅広くなっている”と指摘しているのだ。

 バイイングコミッティーは、主に四つの役割を持つメンバーで構成するのが一般的だ。具体的には「意思決定者」、「情報提供者」、「予算管理者」、「実装担当者」である。

 従業員が50人未満の小規模な企業の場合、これら四つの役割を1〜3人が受け持つことも少なくない。しかし企業規模が大きくなるにつれ、それぞれの役割を持つ人数が多くなる。従業員が500人を超えると、バイイングコミッティーは最低でも6人以上で構成するケースが一般的と言えるだろう。

 これまでのバイイングコミッティーでは、これら四つの役割全てを主に情報システム部門をはじめとする、いわゆる技術部門が担当する例が多かった。ところがマーケティングのデジタル化が進展するにつれ、そしてデジタル化したマーケティング活動に幅広い部門が関与するにつれ、バイイングコミッティーに他の部門からも参画させる企業が増えてきた。最近のバイイングコミッティーには、マーケティング部門はもとより、財務部門、ビジネス開発部門からの参画が目立つようになっている。

 しかもそういった新たに加わった部門の代表者が意思決定者となるケースも増えているという。財務部門は予算管理者であることが多いが、併せて意思決定者にもなっているという図式だ。

 加えて、意思決定者の年齢が徐々に下がってきているのも特徴的な傾向として見て取れるという。これまでは意思決定者の多くは“ジェネレーションX”と呼ばれる世代(1960年代初頭から1970年代にかけて生まれた世代)だった。最近ではミレニアル世代(1980年から2000年代初頭に生まれた世代)が意思決定者となるケースが増えているのだ。

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