「今年は予算やリソースの動きを見る限り、あまり大きく動いていないように見えるが、実際には大きな変化が起こり始めている」。先日、米ITSMA(ITサービスマーケティング協会)が発表した報告書は、B2Bマーケティングのトレンドを、こうまとめている。

  「2016 Services Marketing Budget Allocations and Trends(2016年 サービスマーケティングにおける予算配分と傾向)」と題されたこの報告書は、米国企業をはじめとした世界の主なIT企業やコンサルティング企業の、2016年のB2Bマーケティング予算の配分や人員のスタッフィング、注力分野などをまとめている。

 報告書によれば、マーケティング予算は対前年比3.8%の増額で、人員は対前年比6.1%の増加。いずれも“微増”だが、その一方で予算配分やマーケティング活動そのものに求められる役割、そしてそのために必要な役職などの面に、大きな変化が見えてきているようだ。

 まず、マーケティング施策に対する予算配分について。マーケティング予算そのものは微増だが、オンライン方面の施策では積極的に予算が配分されている。一方でオフラインの施策にかかわる予算は、前年から削減されている企業が少なくない。結果、調査対象企業全体では、予算配分比率がオンライン施策53%に対してオフライン施策47%と、オンライン施策により高い割合の予算が割り振られている。

 さらにマーケティング予算の内訳を見ると、「人材育成」に予算全体のほぼ半分(48%)が割り当てられている。以下「マーケティングプログラムおよびキャンペーン設計」(24%)、「コンテンツ制作」(13%)と続いた。

 特にキャンペーン設計やコンテンツ制作といった分野は、企業に新しい取り組みとなることが多いせいか、新しい役職を設ける形で対応するケースも多い。「今後1~2年で新設を考えている役職」の中で最も多かったのは「編集長」(32%)となっていた。

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