2016年1月中旬に、米国でIAB(Interactive Advertising Bureau:インタラクティブ広告協議会)が発表した文書が、デジタルマーケティングの業界内で話題になっている。その文書とは「Data Segments & Techniques: A New Lexicon」。マーケティングデータのセグメンテーションやその技術に関する、いわゆる「辞書(lexicon)」のような存在だ。

 この文書自体は2011年に発表されたもので、先日発表されたのはそのアップデート版の位置付けとなっている。5年ほど手付かずになっていた辞書に、ようやく手が入ったイメージだ。

 今回、この辞書が大幅にアップデートされたきっかけはIoT(Internet of Things)の急速な普及にある。

 辞書の一番初めのパートは「Data Generation Systems」、つまりマーケティング活動において、データが実際に生み出される場所の分類と定義を記している。そしてそこには“ウェアラブル端末”、“クルマ”などが加えられている。

 こういった、2011年当時には存在していなかった、あるいはマーケティングデータを生み出すと認識されていなかったモノが、数多くのデータをもたらしたことがアップデートの背景にある。それらが複雑に連携し、データをやり取りするようになったことで、改めて語彙の見直しと追加が必要になったというわけだ。

 今回のアップデートの最大のポイントは、マーケティング活動のデータ領域について、フレームワークに至るまでをきちんと定義・解説しているところだ。こうなるともう、この辞書はただの語彙集にとどまらない。

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