年末年始のいわゆるクリスマスシーズンが終わった後、米国のマーケターにとっての次なる大きなイベントといえば、間違いなくスーパーボウル(Super Bowl)だろう。

 スーパーボウルとは、毎年2月第1週(以前は1月最終週の開催が多かった)の日曜日に開催される、米国プロアメリカンフットボールリーグ(NFL)の優勝決定戦である。このイベントは、もはや単なるスポーツイベントではなく、米国の国民的行事といってよい。

 その国民的行事に向け、企業がスーパーボウルのテレビ中継に多額の予算とクリエイティビティを注ぎ込んだCMを、満を持して投入することでも知られている。米国の消費者にとってスーパーボウルとは「家で観るもの」であり「みんなで観る」ものと考えられているからだ。

 もちろん、「家で観る」、そして「みんなで観る」という形も、モバイルの普及に伴って変化を見せている。自宅でテレビ視聴することに変わりはないが、視聴者の手元にはスマートフォンがある。一緒に観る仲間も、必ずしも同じ場所にいるとは限らず、SNSの向こう側にいることもある。

 では、スーパーボウルが開催されている最中、視聴者はスマートフォンをどう使っているのだろう。2016年に米Appboy社が、米国内約1億6000万人の消費者が使用する150種類のアプリの使用状況を分単位で分析し、その結果を公開した。

 これによるとスーパーボウル当日と、その直前5週の日曜日の平均(スーパーボウル進出チームを決定するためのプレーオフ期間にあたるため、以下「プレーオフ期間」と記す)で、消費者が異なる傾向を見せていた。

 試合開始までの数時間は、プレーオフ期間よりもスーパーボウル当日の方が、アプリの使用度合いが高い。ところがスーパーボウル当日は、試合開始直後に途端にアプリの使用が減り、それが2時間ほど続く。これは視聴者が試合観戦に集中しているからだ。

 ただ、この時間帯に突出して多く利用されているアプリがある。それが「食品・飲料関係」のアプリだ。つまりピザなどの宅配をオーダーしていると考えられる。

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