最初の電子メールが登場して今年で50年目を迎える。社内外問わず、連絡手段の主役であり続けたメールが疲弊している。添付ファイルの仕組みを原因とする標的型攻撃による被害が急増しているのだ。
メールに替わってファイルを安全にやり取りする手段として、注目を集めるのがクラウドストレージサービスだ。業務効率化とセキュリティ。企業が要求するこの2つの要件を満たし始めたクラウドストレージサービスの最前線を追う。
ファイルはクラウドに置く---目次
目次
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「クラウドか否か」ではなく、「レガシーか否か」だ
米ボックス 共同創業者兼CEO(最高経営責任者) アーロン・レヴィ 氏
まず言いたいのは、レガシーなテクノロジーは最新のクラウドソリューションと比べてセキュリティレベルが明らかに低いということ。この問題を語るとき、オンプレミスとクラウドという対比は適切ではない。テクノロジーがレガシーなのか、最新なのかという比較をすべきだろう。
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個人利用から「会社で正式導入」に
退職社員による情報漏洩も防げる
中小企業でクラウドストレージサービス導入に踏み切るケースも出てきている。スマートフォン向けゲーム開発会社であるエイリムは2014年7月、クラウドストレージサービス「Dropbox」の企業版「ビジネス向けDropbox」を導入し、現在、100アカウントを運用している。
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早稲田大学がクラウドストレージの全面導入に踏み切ったワケ
2015年6月22日。早稲田大学はマルウエア感染による個人情報流出事件を公表。事務用パソコン利用者2310人分の氏名や所属、教職員番号、さらには教職員、派遣社員の884名分のメールアドレス、学生60名分の氏名や学籍番号などの外部流出を発表した。大学は同日、職員向けに「標的型ウイルスメールに対する対…