前回は、IaaS(Infrastructure as a Service)をファイルサーバーとして使うときのコストをオンプレミス(自社にサーバーを設置して運用する)のケースと比べてみました。ファイルサーバーとして使う際の仮想サーバーのスペックは、低めのものを選択しました。今回は、より高いスペックのサーバーをIaaSで借りると、オンプレミスとのコスト差がどうなるかを試算してみます。用途は、基幹システムで使うサーバーを想定しました。
仮想サーバーのスペックを上げると割高になることも
基幹システムで使うサーバーのスペックは、仮想CPUが2つ、メモリー8GB、ストレージ100GBとしました。まず基幹システムはファイルサーバーよりCPU、メモリーを必要とする場合が多いため、その分料金が高くなります。また基幹システムのソフトの多くは、データベースサーバーのソフトが必要ですので、マイクロソフトのデータベースサーバーソフト「SQL Server」を追加します。そのライセンス分が料金に上乗せされます。
この構成のサーバーを自社に構築すると、OSとデータベースのライセンス込で94万5200円程度。5年リースで、月額約1万7675円(料率1.87%の場合)となります。前回紹介したA社のIaaSでは、VPN利用料を含めると月額約7万9000円になります。ファイルサーバーのときより差が広がりました。B社だとおよそ12万4000円で、さらに高くなります。ファイルサーバーだとオンプレミスよりわずかに高い程度だったC社のIaaSも、仮想サーバーのスペックをここまで上げると、ストレージがHDDとなるより安いプランで計算しても月額約5万4000円になるとみられます。オンプレミスの方が安くなりそうです。
IaaSの料金が高くなった要因は二つあります。サーバーのスペックが上がったこと、およびSQL Serverのライセンスが加わったことです。