今回はまず、法人向けPCをデスクトップ型とノート型に分けて、それぞれ選択のポイントを見ていく。

デスクトップPCは7つのポイントをチェック

 デスクトップ型の選択のポイントは、(1)形状、(2)搭載OS、(3)ストレージ、(4)CPUとメモリー、(5)インタフェース、(6)セキュリティ、(7)保守・サポート――の7つ程度に集約される(図1)。

図1●法人向けデスクトップPCの主な選択ポイントは7つ
図1●法人向けデスクトップPCの主な選択ポイントは7つ
[画像のクリックで拡大表示]

・デスクトップ型の選択ポイント(1)形状

 ひとくちにデスクトップPCといっても、いくつかの形状があり、最適なものは用途によって変わってくる。処理負荷のかかる用途であれば性能が重要となり、大きめだが高性能な製品が向いている。例えば、CADや3DCGなどの制作には、NVIDIAの「Quadro」など専用のグラフィックスボードや専用のソフトを搭載したPC本体と、大画面ディスプレイなどが必要となる。その一方で、携帯性やそれに伴うセキュリティ機能、サポートは重視されない。なお、CADや3DCGなどの制作に特化した、よりハイスペックなマシンは「ワークステーション」と呼ばれる。

 一方、デスクワークが主用途で、机上の作業スペースを大きく取りたいのであれば、省スペース型が適している。総じて大きな筐体のものに比べ非力だが、中にはディスプレイの裏側に取り付け可能なものなど、かなり小型化が図られた製品もある。

・デスクトップ型の選択ポイント(2)搭載OS

 個人向けPCは、最新OSを搭載したモデルが主であるが、法人用途では必ずしも最新OSが適しているとは限らない。前回(第1回)で少し触れたが、企業によっては使用している業務ソフトが旧型のOSにしか対応していない場合があるなど、1~2世代前のOSが好まれることがある。例えば法人向けには今も、Windows7へのダウングレード権(OSを新しいものから古いものへ入れ替えられる権利)が付属したWindows 8.1搭載モデルが存在する。1~2世代前のOSを搭載するモデルを選択する場合は、アップグレードやダウングレードについてもよく確認したい。

・デスクトップ型の選択ポイント(3)ストレージ

 ストレージに関して、容量はもちろん大事。あまりに足りないと、あっという間に外付けHDDなどの外部ストレージを買い足さなくてはならなくなる。それに加えて昨今は、ストレージのタイプがHDDかSSDかという点も重要になってきている。読み書きはSSDの方が高速であり、これはファイルの読み書き速度、ひいては起動時間や終了時間にも効いてくる。ただしSSD搭載モデルは、単位容量あたりの価格がHDD搭載モデルより割高となる。「遅くても大容量」「少なくても高速」など、ニーズをはっきりさせて選択したい。NASやクラウドストレージサービスを併用する手もある。

・デスクトップ型の選択ポイント(4)CPUとメモリー

 CPUが高速なものほど、またメモリー搭載量が多いものほど、本体価格が高くなる。メモリーは自力で増設可能な製品もあるが、メモリーの選択・購入と増設作業は多少コツが必要。自力で交換するのが難しいと判断した場合は、自分に合ったメモリー搭載容量を十分吟味したい。デスクトップPCを一般的な用途として使う場合、Windows8.1だと8G~16GB程度がお勧めだ。

・デスクトップ型の選択ポイント(5)インタフェース

 比較的多くのユーザーに関係しそうなのはUSBポート。1世代前のUSB 2.0のものと、最新で高速なUSB 3.0対応のものがある。データ転送速度にかなりの差がつくので、USB 3.0端子の搭載数は確認しておいた方がよい。グラフィックスボードなどを増設する場合は、PCI Expressスロットの形状と数にも注意したい。

・デスクトップ型の選択ポイント(6)セキュリティ

 現在はもちろん、今後より多くの企業にとって重要になってくるのはセキュリティ機能だ。法人向けPCの中には、認証やデータ保護ができるメーカー製またはサードパーティー製のセキュリティソフトを付けられるケースもある。またごく一部だが、シンクライアント端末として購入可能な製品がある。

・デスクトップ型の選択ポイント(7)保守・サポート

 法人向けに充実したサポートサービスを提供するメーカーもある。内容も、ハードやソフトの使い方の24時間サポート、OSやソフトのセットアップはもちろん、ラベルの貼り付けやネットワーク設定など、メーカーによってさまざまだ。保守も、オンサイト修理(メーカー担当者がユーザー企業のオフィスに出向いて修理する)や長期間保証などを選べる製品がある。サポート・保守は上手に選べば運用の負荷軽減につなげられる。メーカーのWebサイトに情報が出ている場合が多いので、目を通しておきたい。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。