今回は、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を利用してOffice 365のOfficeアプリケーションを利用する方法を紹介する。

 Officeアプリケーションは、パソコン用のほか、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で利用可能な「Office Mobile」と呼ばれるものもリリースされている。Office Mobileのライセンスはやや複雑で、文書の閲覧だけなら誰でも無料で利用できるが、文書の作成や編集は誰でも無料というわけではない。なお、画面サイズが10.1インチ未満のモバイル端末で非商用利用なら無料で作成や編集が可能になるが、利用できる機能は一部制限される。一方、10.1インチ以上の画面を持つデバイスでは、Office 365の契約者でなければ一切の編集が行えない。

 つまり、Office Mobileで利用可能な編集機能には以下の3段階があり、自分がどれに当たるかは端末の画面サイズやOffice 365契約状況によって変わってくる。

  1. 閲覧のみでまったく編集できない。対象はすべての端末。Microsoftアカウントでサインインしていない場合
  2. 基本的な編集機能のみ利用できる。対象は画面サイズ10.1インチ未満のモバイル端末で、非商用利用の場合。Microsoftアカウントでのサインインが必要
  3. 全ての機能を利用できる。対象はすべての端末で、Office 365を契約しているユーザー。MicrosoftアカウントまたはOffice 365アカウントでのサインインが必要

 ライセンスはこのようなルールになっているので、企業で利用するときはOffice 365の契約が必須と考えておくとよい。

Office Mobileで利用できるアプリケーション

 Office Mobileでは、Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlookの各アプリがリリースされている。これらはパッケージとしてリリースされているわけではなく、必要なアプリだけインストールして使える。Word、Excel、PowerPoint、OneNoteはOneDrive for Businessのフォルダーへアクセスできる。パソコン用のOfficeアプリでOneDrive for Businessに文書を保存しておけば、モバイル端末でも同じ文書を編集できるようになる。

 ただしOffice Mobileは、パソコン用Officeアプリの全機能を搭載しているわけではない。複雑なレイアウト、デザインを組んでいる文書や、Visual Basic for Applicationsでプログラムを組み込んでいる文書などは、Office Mobileでは開けないことがあるので注意しよう。また、モバイル端末に搭載されていないフォントが使われているときは、別のフォントに置き換わってしまうことがある。

 iOS、Androidが標準で搭載しているメールアプリ、カレンダーアプリ、住所録アプリでも、Office 365のメール送受信、予定表、連絡先との同期などが可能だ。しかし、標準アプリではOffice 365と携帯端末用OSとの間で共通する機能しか利用できない。Office 365のサービスをフルに活用するなら、Outlookを利用するほうがよい。

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