ホットなリードかどうかを見極めるうえで「BANT情報」、つまり予算規模(Budget)、購入決定権限(Authority)、購入意向の強さ(Needs)、購入時期(Timeframe)は、非常に大切な情報です。自社サイトへの来訪者を、営業対象となりうるリードとして獲得(ジェネレーション)するためには、まず連絡を取るための名刺情報の獲得から始まります。それに続く育成(ナーチャリング)の段階の目的は、最新のBANT情報を集めることといっても過言ではないかもしれません。
しかし、残念ながら、「BANT情報だけをホットリードの判定基準にすることは十分ではない」、と米国カリフォルニア州サンラモンに本拠を持つ、デマンド・ジェン(=DemandGen、以下DG社)社CEOのDavid Lewis氏は言います。
BANT情報を生かすためには、リードと自社との距離感、そしてキーパーソンに正対しているかどうかの情報が重要だからです。リードが自社の商材とフィットするかどうかを判断するための情報、と考えてもよさそうです。
また、Lewis氏は「(ホットリードの判定基準)はアンケートに適した項目ではない」とも言います。サイトに来訪したビジターに、ホワイトペーパーと引き換えで、名刺情報を聞き出すくらいはできるかもしれません。しかし名刺情報ならともかく、いくら予算を持っているのか、いつごろ購入したいのか、購入に当たってどのような立場にあるのかなどは、なかなか聞き出せるものではありません。
“ここまで答えてほしいなら、もっと詳細な情報をよこせ”とビジターに思われる恐れがあります。「アンケートでは嘘もつける」(Lewis氏)という懐疑的な見方もできます。非常に魅力的なコンテンツを用意してどうしても読みたいと思わせても、正しい情報を記入してくれる保証はありません。
企業はアンケートなどの回答結果だけに頼って、リードのホット度合いを推測しているわけではありません。回答内容が信頼に足りるかどうかを判断できれば、具体的には自社との距離感を把握できれば、この心配はありません。