大規模なデータセンター(DC)の新設が相次いでいる。SCSKのITマネジメント事業部門netXデータセンター事業本部netX営業部の吉井敬一部長代理が国内データセンター市場を調べたところ、2015年から2016年にかけては「計画されているだけで、国内18カ所で新設される予定だ」(吉井部長代理、写真1)。これは直近のピークである2013年の19カ所に迫る勢いという。

写真1●SCSKが2015年5月に開設した「netXDC千葉第2センター」。延べ床面積は1万5600平方メートル。同DCの開設で、SCSKが保有するDCの延べ床面積は合計で、約7万平方メートルになった
写真1●SCSKが2015年5月に開設した「netXDC千葉第2センター」。延べ床面積は1万5600平方メートル。同DCの開設で、SCSKが保有するDCの延べ床面積は合計で、約7万平方メートルになった
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 事業者各社がDCを拡充するのは、クラウドサービスに対する需要が高まっているためだ。業務システムをクラウドに移行するユーザーが増えるのに合わせて、市場は拡大を続ける。

 調査会社IDC Japanによれば、DC事業者が手がける施設の延床面積は、14年末時点の192万7300平方メートルから、19年末には222万6377平方メートルに増加する。比較的小規模な企業内DCは、拠点数も延べ床面積も減少傾向。事業者が手がける大規模センターへの移行やシステムの集約が進むとみる。市場規模自体も拡大し、2014年度のDCサービス市場は国内全体で1兆5641億円だが、2019年度には、1兆8718億円となる見込みだ(富士キメラ総研調べ)。

 本特集では、DCを選ぶ際に知っておいてほしい基礎知識を紹介する。読者の中には、DCを使って業務システムを開発・運用したり、DCの選定自体に携わる方もいるだろう。新人、若手のITエンジニアがおさえておきたいポイントを紹介する。

なにはともあれ立地を見る

 DCを選ぶ際にまず重要なのが「どこにあるか」、すなわち立地条件である。インテック ネットワーク&アウトソーシング事業本部 N&O事業推進部の五十嵐義雄副部長は「多くのユーザー企業が、DCを選ぶときにまず立地条件を考える」と語る。

 具体的なポイントは(1)活断層からの距離、(2)海岸線からの距離あるいは標高、(3)都心からのアクセス、の三つだ。

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