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写真:Getty Images
システム構築(SI)業界で、新しいモデルへの挑戦が始まった。「できるだけ作らない」「付加価値ベースで見積もり」「納品しない」といった、ユーザー企業とITベンダーが協調できるSIモデルの確立へ動き出している。これまでのSIの伝統的ビジネスモデルは、ユーザー企業とITベンダーの間に不信や対立の芽を生み、双方が不幸になる欠陥を抱えていた。こうした旧弊を脱して、新たなSIを実現しようとする各社の試行錯誤と取り組みを紹介する。
浅川 直輝
未来を開く五つの鍵
システム構築(SI)業界で、新しいモデルへの挑戦が始まった。「できるだけ作らない」「付加価値ベースで見積もり」「納品しない」といった、ユーザー企業とITベンダーが協調できるSIモデルの確立へ動き出している。これまでのSIの伝統的ビジネスモデルは、ユーザー企業とITベンダーの間に不信や対立の芽を生み、双方が不幸になる欠陥を抱えていた。こうした旧弊を脱して、新たなSIを実現しようとする各社の試行錯誤と取り組みを紹介する。
納品のないSI、定額パッケージSI、自動生成SI、クラウドインフラSI、コミュニティSI。伝統的SIの常識や発想から脱却した、新たなビジネスモデルが勃興している。それぞれのSIモデルの特徴や事例を知ることで、費用対効果を高めた「使えるシステム」を構築できる。
ITベンダーが事実上の一括請負でシステムを開発する従来のモデルでは、要件定義の不備や追加開発の費用をめぐるトラブルから逃れられない。ここにきて、ユーザー企業とITベンダーが協調できる仕組みをビルトインしたシステム構築の新たなビジネスモデルへの挑戦が始まっている。