2016年11月1日、米マルケト(Marketo)のCEO(最高経営責任者)にスティーブ・ルーカス(Steve Lucas)氏が、創業者のフィル・フェルナンデス氏に代わって就任した。欧州SAPや米セールスフォース・ドットコムでプラットフォーム事業を率いた経験が長いルーカス氏は、「マルケトが進出している全地域市場の中で最も急速に成長していて、しかも重要な市場である日本に早く来なくてはいけないと思った」と語る。

 就任から約2週間後に来日したルーカス氏と日本法人代表取締役社長の福田康隆氏に、マルケトの最新戦略や日本でのビジネス展開について聞いた。ルーカス氏は、現在進行中の新プラットフォーム「Orion」に加えて、2017年から18年にかけてのローンチを予定する新プロジェクト「Mercury」についても言及した。

(聞き手は松本 敏明=ITproマーケティング、
記事構成は冨永 裕子=ITアナリスト)


米マルケトのCEO、スティーブ・ルーカス氏
米マルケトのCEO、スティーブ・ルーカス氏
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マルケトのCEOになった経緯

11月に新CEOに就任したばかりだが、どのような経緯でマルケトに招聘されたのか。

 自分自身がマルケトのCEOになりたかったので立候補した。

 なりたいと思った理由はいくつかある。何よりもまず、マルケトがマーケティングのグローバルブランドとして認知されていること。ユーザー企業との間にそれだけの信頼関係を築くのは大変な努力が求められる。

 しかもビジネスの最前線にいて、多くのユーザー企業の声に耳を傾けながら、ユーザー企業のデジタルトランスフォメーションの支援をうまく進めている。これから先の短期間で、今の10倍の成長ができる潜在力を感じた。

 さらに日本法人代表の福田氏がこれまでに取り組んできたビジネス成長のアプローチはユニークなものであり、これを世界中に展開できると考えた。

CEOとしてまず設定した、今後の事業目標はどんなものか。

 まず、国際的にビジネスを拡大していくことが大事だ。次に、次世代のイノベーションを世界中のマーケターに届けないといけないと考えている。

 マルケトはマーケティングイノベーションを進める会社であり、これまでもABM(Account Based Marketing)をはじめとする、新しいテクノロジーに投資してきた。そして次世代プラットフォームのOrion(オライオン)には最大規模のR&D投資をしてきた。

 マーケターやCMO(最高マーケティング責任者)は、細分化されたソリューションをプラットフォームで統合し、エンドトゥエンドで展開したいと考えている。そして、セールスといえばセールスフォース、マーケティングといえばマルケトというように、マーケターから選ばれる存在になりたい。

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