企業がWebページやモバイルアプリに埋め込む「タグ」を管理するための「タグマネジメントシステム」を手がけてきた米Tealium(ティーリアム)。2017年には多様なデジタルツールを連携させる「ユニバーサルデータハブ(UDH)」というコンセプトを打ち出し、サービス体系を整理。2017年6月には日本にデータセンターを設置し、10月に「Digital Velocity Tokyo 2017」を開催した。同イベントで基調講演に立ったTealium最高経営責任者(CEO)のジェフ・ランスフォード氏と、同社創業メンバーで最高技術責任者(CTO)のマイク・アンダーソン氏に話を聞いた。

(聞き手は松本 敏明=ITproマーケティング)

なぜ「ユニバーサルデータハブ(UDH)」というコンセプトを使い始めたのでしょうか。

Tealium最高経営責任者(CEO)のジェフ・ランスフォード氏
Tealium最高経営責任者(CEO)のジェフ・ランスフォード氏
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ランスフォード氏:Tealiumの四つのソリューションは以下の機能で構成します。

  • タグマネジメントのための「Tealium IQ」
  • エンドユーザーから収集したイベントデータをリアルタイムで加工し、外部と共有する「Tealium EventStream」
  • エンドユーザーから収集したイベントデータからリアルタイムでオーディエンスデータを作り、外部と共有する「Tealium AudienceStream」
  • BI(Business Intelligence)やAI(人工知能)などがデータを解析するための出力場所となる「Tealium DataAccess」

 Tealiumは顧客満足度を高めるには、企業が独自に集めた顧客データだけでなく、外部の第三者からのデータも加えて「シングルカスタマービュー(企業が各部門で収集したユーザーデータを管理し、各部門が必要に応じて活用できるようにする仕組み)」が必要と考えました。UDHは外部からのデータをリアルタイムでタグマネジメントシステムで集めたデータに付け加えられるようになっています。

Tealiumは1年半ほど前は、Tealium IQを中心としたタグマネジメントをメーンで打ち出していた印象があります。UDHを前面に押し出すようになったことにビジョンの変化はあったのでしょうか。

ランスフォード氏:大きなモデル変化ではありません。Tealiumの前身であるWebSideStory(WSS)社(後述)を創業したときから、私たちの基本はWeb解析にあります。Tealiumを創業したのは、顧客企業にある「データのサイロ化問題」を解決するためです。

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