シャノンは、マーケティングオートメーション(MA)ツール「SHANON MARKETING PLATFORM(SMP)」を700超のユーザーに提供している。インタビューの後編となる今回は、シャノン代表取締役 最高経営責任者の中村健一郎氏に、2BCの尾花淳代表取締役がSMPの特徴や追加する機能を聞いた。日本市場で長くMAに携わってきた中村氏は、マーケティング活動にこれから本格的に乗り出す企業に向けた支援策にも言及した。
尾花:最新型のMAツールは従来型と何が違うといえるのでしょう。
中村:SMPでいえば、ユーザーの行動履歴のトラッキングやスコアリングのところが新しい機能となっています。
尾花:統合的にデータ管理をしていることにMAのメリットがあると思います。その中で、SMPではどのような機能を提供していくのでしょう。
中村:SMPは他のMAツールとは幅が違います。グローバルで展開されているMAツールには、メールやキャンペーン、リードの管理、トラッキング、スコアリングそしてSNSやSFAとの連携などの機能があります。
SMPは、それらに加えてオフライン系のマーケティング活動を支援する機能を一つの製品として載せています。具体的にはセミナーやイベントの管理や、名刺の管理やインサイドセールスの活動履歴の管理ができます。
さらに企業の業種や売り上げといった情報を後から加えたり、役職者のランクを自動で振り分けたりできます。日本企業がマーケティング活動を進める中で、必ずないと困る機能を標準で持っています。
私たちは欧米のツールとの違いを作ろうとしてきたのではなく、日本企業のマーケティング担当者が必要とする機能を、その人たちの声を聴きながら強化してきました。
尾花:お客様の声を聞く姿勢は重要ですね。そのシャノンだからこそ、これまで誰もやっていないけど新規で追加する機能があるのではないでしょうか。
中村:マーケティングに適用すると面白いことができるであろう、最新のテクノロジーがいくつかあります。しかし、それが本当にお客様の現状を変えられるか、本当にお客様のニーズを満たせるのか、作り手側の独りよがりになっていないかと自分たちに問いかけています。
例えば欧米型のMAツールが最先端だから、それと同じ機能をすぐに適用しましょうというのでは、日本で必ずしもうまくいくとは限りません。私が強く感じているのは、仕組みやツールを進化させていくだけでなく、お客様の中にいるマーケティングに関わる人に育ってほしいことです。この部分を助けていかないと、私たちが提供するサービスや機能がお客様のニーズをずっと超えないという状況に陥りかねません。つまりツールの成長と利用する側の成熟の両面が必要と考えます。
そう考える一方で、研究開発ではMAツールにAI(人工知能)を活用して、自動化を進めて最適なスコアリングを実施するといったことを考えています。この技術を現在活用しているデータに適用すると、本当に正解を導けているのかといったことが分かるでしょう。