欧州SAPは、 オムニチャネルでのカスタマーエンゲージメントとコマースのためのソリューション「SAP Hybris」 を提供している。SAP Hybrisで製造業とエネルギー産業の法人顧客に向けたB2Bソリューションを担当し、2017年9月の「SAP Hybris Day 2017 Beyond CRM」のために来日した同社製造業/エネルギー産業担当プリンシパルのブライアン・ディール氏に、BtoB製造業の世界的な変化と、その変化に対応するための同社のプラットフォームについて聞いた。同氏は3年前にhybris software(当時)に入社するまでは、ITと製造の分野で18年間の経験を有し、欧州と米国で管理職を歴任してきた。
BtoB企業のカスタマーエンゲージメントの変化をどう捉えているか。
BtoCのサービスで得られているエクスペリエンス(経験)を顧客がBtoBでも経験したいと考えている。BtoB企業ではこれまで、顧客とのやり取りは購買プロセスのかなり後ろの方で始まっていたが、現在は顧客の経験全体をコントロールすることに力を入れている。このために、詳細かつ有益な情報を提供しているのだ。
この分野にはイノベーションがかなり多くある。しかしモバイルデバイスを使うなど、新しい成長の機会を取り入れられていない企業が多い。
企業はBtoBで多様なチャネルを持っているが、さらに顧客と緊密に接したいと考えている。ロイヤリティを高めて、関係をより良くすることを志向している。
ではBtoB製造業はどのようなところを改善しないといけないのか。
私たちは、BtoB製造業に三つの点が必要だと考えている。具体的には、「CUSTOMER CENTRICITY(顧客中心志向)」、「OPERATIONAL EFFICIENCY & AGILITY(運用上の効率化と敏捷性)」、「GROWTH & INNOVATION(成長とイノベーション)」である。
顧客中心志向では、BtoB企業はより深いレベルで考えなくてはならない。ここでいう顧客の経験とは、セールスのプロセスがどうなっているか、顧客がどのように機器を購入するのか、マーケティングとソーシャルのやり取りがどうなっているかといったことを含んでいる。
運用上の効率化と敏捷性とは、企業が持つ「顧客とのトランザクションのボリュームを上げたい」というニーズに対応する。具体的には製品を販売した後の、アフターマーケットやその製品に関わる部品を新たに購入してもらうことに力を入れる必要がある。