フロムスクラッチは、集客施策~販売促進~顧客管理といった、マーケティングの一連の工程を一気通貫で支援するプラットフォーム「B→Dash」を、2014年11月から提供している。従来は複数のツールで実現する場合が多かった、マーケティングに関わる機能をそろえることで、コストを抑えつつマーケ担当者の手間を削減する。

 これまで直販を中心に展開してきたが、今後は代理店を通じてSMB(中小規模企業)市場にも展開していく。機能を簡素化し、カスタマイズを前提としない廉価版をリリースすることで、月額数万円程度で利用できるようにして、2015年内に300社への導入を目指す。

 フロムスクラッチ代表取締役社長CEOの安部泰洋氏に、B→Dashのコンセプトとマーケティングの考え方を聞いた。

(聞き手は松本 敏明=ITproマーケティング、記事構成は日川 佳三)


B→Dashと他のMA(マーケティングオートメション)ツールとの違いは何か。

フロムスクラッチ代表取締役社長CEOの安部泰洋氏
フロムスクラッチ代表取締役社長CEOの安部泰洋氏
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 他のツールとはカバー範囲が違う。

 どんなに優秀な営業組織であっても、リード(見込み客)の管理が問題となっている。受注率が3割と仮定して1カ月に30件アプローチする場合、受注は9件で、残りの21件が未受注リストとして蓄積されていく。このリストの管理が難しい。なぜなら、多くの組織で月単位や四半期単位で受注目標を立てているため、ニーズが顕在的な見込み客を優先し、すぐに受注に結び付かない見込み客へのフォローが滞るからだ。

 そして後日、見込み客に連絡すると、「違う会社に決めた」と言われるなど機会損失が発生する。これは非常にもったいない。

 増え続けるリードを管理したいという需要で生まれたのがMAツールだ。本来は10万人の顧客リストがあったら10万人の営業担当者を張り付るのが望ましいが、それが現実的でないため、機械的に自動化していくものだ。

ではこれまでのMAツールの課題は何だと考えるか。

 ところが企業がMAツールを導入してみると、運用が非常に難しい。MAツールに望まれるのは、生み出したリードをホットな状態にして営業担当者に渡すことだ。

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