前編に続き、HubSpot共同設立者兼CEOで書籍「インバウンドマーケティング」(すばる舎リンケージ刊)の共同著者であるライアン・ハリガン氏と、HubSpot日本法人のGeneral Managerに就任した赤平百合氏のインタビューを掲載する。
HubSpotが提唱している「SMARKETING」(「Sales」と「Marketing」の造語)の考え方と、同社の日本での展開、そして同社が注視する技術について聞いた。
記事構成は冨永 裕子=ITアナリスト)
(前編から続く)
前半の最後に、同社が提案する「SMARKETING」について説明を受けた。ではBtoB領域での適用はSMARKETINGでどのような展開があるのだろうか。まずこの疑問から聞いてみた。
B2B企業のマーケティング部門は、顧客の説得という購買プロセスの中でも大きな役割を担うようになり、組織内ではマーケティングの重要性と影響力が高まっている。「これは、マーケティングの役割に対する説明責任が高まっていることでもある」(ハリガン氏)。
ファネルの上流(つまり顧客との接点から営業部門に引き継げるようにするまで)を受け持つ以上、マーケティング部門はリード創出と、リードの品質向上に責任を求められる。だからこそマーケティング活動の成果を詳細にモニタリングしなくてはならなくなった。
説明責任についてハリガン氏は、「以前のB2B企業のマーケティング部門では宣伝が主な役割であり、成果の測定は難しく、必要もなかったかもしれない。役割と責任の変わった今、テクノロジーを活用してきちんと説明する必要がある」と述べる。営業部門とマーケティング部門がそれぞれ説明責任を果たすに当たってHubSpotは「SLA(Service Level Agreement)」という言葉を持ち出して説明している。
SLAとは、「サービスプロバイダーとエンドユーザーの間で、期待されるサービスレベルを定義し合意すること」。通信事業者が契約者間との取り決めでよく使う言葉だ。