前編に引き続き、B2Bマーケティング・オートメーション(MA)ツール「Pardot」の真価を、セールスフォース・ドットコムマーケティング本部プロダクトマーケティングシニアマネージャーの田崎純一郎氏に、2BCの尾花淳代表取締役が対談形式で聞いた。話題はPardotが備えるグレーディングの機能から、MAツールを導入する企業が意識しておくべきことへと展開した。
(前編から続く)
尾花:ナーチャリングの過程で、何らかのフラグが立ったお客様は、営業に引き継ぐということですね。お客様の役職については、Pardotに「グレーディング」の機能があります。これはどういう機能でしょう。
田崎:BtoB向けのビジネス特有だとは思いますが、役職の高い方については、それまでのスコアにかかわらずコンタクトをとってもいいかと考えています。特に価格が高い商品を扱う場合、あるいは製品の購入に関して組織的な判断が必要な場合は、お客様の役職は非常に重要と考えます。
例えば、役職や特定の地域、業種などのフラグが立ったものについて、ランクを付けていくという機能です。
尾花:これはお客様ごとの潜在的なポテンシャルを測るものと考えると分かりやすいですよね。
田崎:そうですね。
尾花:このポテンシャルの高さは、役職だけでなくそのお客様が属する企業についても適用されるのではないでしょうか。つまりお客様の組織規模が大きいと、ポテンシャルが大きいという推測もできます。
お客様の役職と、そのお客様の属する組織の2軸を使った判断というものが必要かと思います。こうした2軸での判断をされているユーザー企業の情報は耳に入っていますか。
田崎:まだこうした判断をしている企業の名前は入ってきていません。まだ実験段階です。グレーディングという機能の趣旨をどれだけ理解するかでしょう。スコアリングで点数が高ければよいというだけでなく、グレーディングも大切である、といった総合的な判断をします。
尾花:MAもSFAも営業生産性を高めるツールであるという意味では、グレーティングが非常に大きな機能であるはずです。
田崎:非常に重要でしょう。スコアリングが高いお客様はかなり「熱く」なってきていますが、「熱く」なっていないお客様に会って「熱く」することができれば、こちらの方が、圧倒的に私たちが優位に立てます。そうしたターゲットにどれだけのリソースをかけられるかが重要になると思います。
ある商品に関心を持つお客様の行動は、その企業の製品だけでなく競合製品に対してもスコアが高くなるはずですね。つまりスコアリング偏重になると、わざわざ競合が多いところで競い合うことになりかねません。これに対して「熱く」なっていないお客様を見つけ出して「熱く」できるなら、断然そちらの方が楽でしょう。