2015年7月下旬、セールスフォース・ドットコムは「Salesforce Summer」と呼ぶイベントを東京と大阪で開催。B2Bマーケティング・オートメーション(MA)ツール「Pardot」のユーザー事例などを解説した。同イベントのプレゼンテーションでPardotを紹介した、セールスフォース・ドットコムマーケティング本部プロダクトマーケティングシニアマネージャーの田崎純一郎氏に、2BCの尾花淳代表取締役がPardotの本質を聞いた。
尾花:Pardotをセールスフォース・ドットコムが買収して、正式に製品のラインアップに加えたのはいつでしたか。
田崎:2013年ですね。エグザクトターゲット(ET)をセールスフォースが買収したタイミングで、Pardotもセールスフォースの製品になりました。
尾花:あのタイミングでは、PardotはETのファミリーの一つでしたが(2012年にET社がパードット社を買収)、特に(主にBtoC向けの、顧客とのOne to Oneでのコミュニケーションの実現を主眼に置く)ETの製品とは連携していませんでしたね。していないまま買収して、そのままSales Cloudのラインに加えました。
PardotはSFAと親和性の高い製品だと思います。SFAに加えてマーケティング領域までプロダクトラインが広がったことにより、セールスフォースはどんな価値をユーザー企業に提供できるのでしょう。
田崎:SFAを売り始めてから15年になりますが、そのときからマーケティングに関するニーズはありました。例えばメール配信やWebサイトの閲覧履歴の参照を簡単にできるように、いくつかのパートナーとともにAppExchangeでアプリを提供してきました。そのときはユーザー企業のニーズに応える形でバリエーションを増やしました。
こうしたバラバラだった機能を一つに統合したものがマーケティングオートメーション(MA)です。セールスフォースがSFAとMAをセットにしてユーザー企業に提供できるようになったことで、守備範囲が広がったと考えています。
尾花:営業部門が購買プロセスのエンドツーエンドを全て押さえている企業が、Sales Cloudを使っていることが多いように感じます。それらの企業からすると、MAといわれてもピンと来ないかもしれません。
しかしもう一方で、しっかりとマーケティング部門があって、フィールド営業もいるというように、プロセス分業をしている会社もあります。それぞれにとってMAの位置付けや捉え方は違うように感じます。
田崎:現時点でPardotを利用している層は、プロセスに関して意識が比較的高いユーザー企業が多いように感じます。営業の業務の「前」をカバーしたいというニーズが元々ある企業が使っているといえます。
一方、Sales Cloudのユーザー企業にはいろいろな種類の層がいます。営業部門の案件管理のために使っているなど、企業ごとに温度差が非常に大きいと感じています。私たちがユーザー企業にラインアップを紹介しているときも、製品に対する反応が異なっていることを感じます。