前回に続き、セールスフォース・ドットコム(セールスフォース) マーケティング本部プロダクトマーケティングシニアマネージャーの田崎純一郎氏に話を聞いた。田崎氏は、インサイドセールスを整備して、さらにSFA(営業支援システム)とマーケティングオートメーション(MA)を連携させることでもたらされる効果と、その効果を高めるために必要な役割、そして同社のMAツール「Pardot」の今後の展望を語った。

(聞き手は松本 敏明=ITproマーケティング、
記事構成は冨永 裕子=ITアナリスト)


前回から続く)

セールスフォース・ドットコム マーケティング本部プロダクトマーケティング シニアマネージャーの田崎純一郎氏
セールスフォース・ドットコム マーケティング本部プロダクトマーケティング シニアマネージャーの田崎純一郎氏
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 関係者全員が案件の情報共有により見える化を実現することの狙いは、「失注」の犯人探しではない。「見えないことが相手への不満につながる。見えないと文句を言うことしかできないが、見えれば対策を打てる。見えることが不満を解決する上で重要なポイント」と田崎氏は強調する。だからこそ営業部門とマーケティング部門のそれぞれの不満を解消するには、どこに問題があるかを可視化できる仕組みが重要になるという。

 そのためにMAとSFAのデータが連携している必要がある。営業とマーケティングが仲良く働けるよう、見える化の基盤を提供するのがMAとSFA連携の大きな目的というわけだ。

 さらに、田崎氏はマーケティング部門と営業部門の間にいて見込み案件を育てる責任者「CPO:Chief Pipeline Officer」の必要性を提唱した。「案件が多すぎると営業が大変になるし、少なすぎると営業もマーケティングも大変になる」(田崎氏)。営業やマーケティングと対話し、双方で受け渡す案件の数と品質を適正に維持する役割を担うわけだ。

 さらにCPOは「短期でできる小規模案件と長期の大きい案件という両方のバランスを考慮し、受け渡す案件を設計するのも大事」(田崎氏)と言う。こうした配慮が求められるため、CPOには営業とマーケティング両方の経験がある人が就くのが望ましいと田崎氏は見解を示した。

Pardotの現状と展望

 企業のデジタルマーケティング領域では、2015年ころからMAへの投資が活発化している。セールスフォースは、B2C企業向けMAツール「Marketing Cloud」のほか、B2B企業向けのMAツールとしてPardotを提供している。現在のMAはどのような状況なのだろう。

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