米マルケトは2016年7月上旬、都内で「THE MARKETING NATION SUMMIT 2016」を開催し「TOMORROW'S MARKETER」というビジョンの下、未来のマーケターに向け多様な情報を発信した。基調講演に登壇した、米マルケトGroup Vice President MarketingのChandar Pattabhiram氏にユーザー企業の取り組みや同社のマーケティングオートメーション(MA)ツール「Marketo」に追加したBtoB向けの新機能を中心に話を聞いた。
Marketoのユーザーで、デジタルマーケティングを成功させた組織に共通項はあるか。
成功している組織に、共通項は三つある。
一つは、セールスとマーケティングの役割の違いを明確に理解している組織であるということ。CRM(顧客関係管理)が営業のためのシステムで、MAツールがマーケティングのためのシステムであるとしっかり認識できているところだ。
二つめのポイントは、様々に展開したマーケティング施策の効果を個別に測定できるところだ。マーケティング活動の中で展開した施策のうち、うまくいったものとうまくいかなかったものを分けて、うまくいったものには再び投資を続けられれば成果に近づける。言い換えるなら、「マーケティング施策を分析できる」組織だ。
三つめは、お客様とのエンゲージメントとナーチャリングを通して、お客様がモノを買うという行動に至るまでことの重要性を理解している組織だ。
こうした活動を、効果的なコンテンツやMAツールを使って実現している組織が、デジタルマーケティングで成功している。
イベントで紹介していたパナソニックの事例では、デジタルマーケティングの実践に当たって営業とマーケティングの組織のあり方を変えたという話があった。MarketoなどのMAツールを導入すれば全てが解決するわけではないということか。
確かにマルケトを導入すればOKというわけではない。戦略も技術も、それから組織も変わらなくてはならない。戦略は「顧客中心」の考え方に変えることが、これからのマーケターが考えるべき方向である。