デバイスの提供にとどまらない「ソリューションプロバイダー」に変わろうとするルネサスエレクトロニクス(以下、「ルネサス」)は、国内とグローバルでそれぞれに適したデジタルマーケティング施策を展開している。
同社企画本部 マーケティングコミュニケーション統括部 Webマーケティング部長の関口昭如氏にABM(アカウントベースドマーケティング)への取り組みを含めた、国内と海外の施策の違いについて聞いた。
記事構成は冨永 裕子=ITアナリスト)
ルネサスのデジタルマーケティングではどんなツールを使っているか?全世界共通のツールを使っていると聞いたが。
リードナーチャリング関連では、SFA(Salesforce Automation)はSalesforceでMA(Marketing Automation)はEloqua(現Oracle Marketing Cloud)を組み合せている。ルネサスはEloquaの国内第1号ユーザーだった。選定の決め手は、グローバルで展開できることと、2軸でのスコアリング(前編で解説)ができることだった。
導入の順番としてはEloquaの方が先でSalesforceが後だった。MAを導入した時点でSFAは古いシステムで、Eloquaとの連携ができなかった。
これでは渡したリードがその後どうなったかが見えなくなる。一度営業に渡したリードが戻ってくることもある。インサイドセールスの負担が増大することもあり、現在の構成とした。
そのほか、セミナーやイベントの来場者マネジメントではシャノンのサービスを、分析ではDomoやAdobe Analyticsを使っている。米国ではEloquaと併せて(アーリーファネルの部分でABMを実現するためのプラットフォームである)「Demandbase」「Linkedin Sales Navigator」なども使っている。国によって若干システム構成が変わることもあり得る。