半導体大手のルネサスエレクトロニクス(以下、「ルネサス」)のWebマーケティング部は、早くからMA(マーケティングオートメーション)ツールのEloqua(現Oracle Marketing Cloud)をグローバルに導入。リード(見込み顧客)を育て、営業部門に渡すためセルフサービス的なWebサイトを重要なタッチポイントに据えている。
同社企画本部 マーケティングコミュニケーション統括部 Webマーケティング部長の関口昭如氏にその具体的な取り組みについて聞いた。前半の今回は、日本国内のリードナーチャリング活動を中心について聞いている。
記事構成は冨永 裕子=ITアナリスト)
ルネサスのデジタルマーケティングでは、Webサイトをタッチポイントとしてどのようなリードナーチャリングに取り組んでいるのか?
Webサイトを中心とするデジタルマーケティングに取り組んだのは、対面の営業活動は依然として一番重要であるものの、顧客が営業に会う前に製品について自ら学んで調べる動きが顕著になったという背景がある。従来のWebサイトの主な役割は顧客のサポートだったが、それをさらに強化して24時間サポートができる環境を整備するとともに、営業に会う前に顧客がどんな下調べをしているかをマーケティングの視点で追いたいと考えた。
そのためリードナーチャリング活動を数年前から始めている。リードを集めて、顧客それぞれに必要なソリューションをマッチングし、必要とする時に関連する情報を提供する。特にナーチャリングでは国内では特約店を含めた営業部門との連携を重視している。
マーケティングから営業に渡すリードはどういう基準で見ているか?
スコアリングの精度をある程度まで高めないと、営業に渡しても訪問先の話を聞いただけで終わってしまう。日本は他国と比べると販売体制が強固なこともあり、インサイドセールスと連携しながら、営業が受け入れてくれるであろう状態でリードを渡すようにしている。
スコアリングは、エンゲージメントとプロファイルの2軸で評価している。エンゲージメントとは関心度合いのことで、プロファイルは企業や役職などの属性情報のことだ。