アドビ システムズは2017年4月下旬に都内で「Adobe Data Driven Forum 2017」を開催した。同イベントのために来日し、壇上で「高度なアナリティクス基盤と運用」について解説した米アドビ システムズ デジタル マーケティング BU Analytics Cloudグループ プロダクト マネージャーのジョン・ベイツ氏に、Adobe Analyticsの今後の機能と、人工知能(AI)とマシンラーニングのフレームワーク「Adobe Sensei」との連携について聞いた。

(聞き手は松本 敏明=ITproマーケティング)


米アドビ システムズ デジタル マーケティング BU Analytics Cloudグループ プロダクト マネージャーのジョン・ベイツ氏
米アドビ システムズ デジタル マーケティング BU Analytics Cloudグループ プロダクト マネージャーのジョン・ベイツ氏
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BtoB分野でAdobe Analyticsが果たす役割とは。

 Adobe AnalyticsはBtoBとBtoCの双方で展開している。そもそもアドビシステムズがAdobe Analyticsの第一の顧客であって、自身がBtoBビジネスにAdobe Analyticsを活用している。

 エンタープライズでのAdobe Analyticsの役割は多岐にわたる。具体的には顧客個人やアカウント(企業)からのデジタルインタラクションの把握、リードの生成、顧客やアカウントの理解、それからデータ管理プラットフォームの「Adobe Audience Manager」やIPアドレスと企業名をマッチングするサービスを提供するパートナー企業「Demandbase」との統合などを可能にしている。

米国で3月に開いたAdobe Summitで、アドビの人工知能(AI)とマシンラーニングのフレームワーク「Adobe Sensei」とAdobe Analyticsの連携について、いくつもの機能を紹介していた。BtoBの企業はどの機能をまず理解しておけばよいか。

 「Anomaly Ditection(異常値検出)」はAdobe Analyticsを使うスタート地点としてよい機能だ。実際の事例に触れながらSenseiとAdobe Analyticsの説明をしていこう。

 あるハイテク産業コンサルティング会社(以下A社とする)は2015年6月、同社のWebサイトのトラフィックが通常の300%に上昇する事態に直面した。A社にはとても優秀なデータサイエンティストがいたが、6週間かけてもトラフィック増の理由を見つけられなかった。

 解決のためアドビは、その時点ではまだ一般に公開していなかった、Senseiの異常値検出と「Contribution Analytics(貢献度分析)」の機能をA社に提供した。まず異常値検出で検証をしたところ、トラフィックの増大は予想外のことであり、それが重大な意味を持つと確認できた。

 では「なぜこうした事象が発生したか」が問題となった。そこで貢献度分析を適用し、機械学習による自動分析で何千万ものクエリーを見たところ、原因が見えてきた。

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