デジタル時代では、あらゆる業種でビジネスのやり方が劇的に変化すると予想される。企業は、この大きなビジネス環境の変化に適応しながら、競争力を高めていかなくてはならない。
2017年に米マルケトは新しい時代のマーケターに向け、「エンゲージメントエコノミー」という新しい考えを提唱し、企業のデジタル変革を支援する姿勢を打ち出し始めた。さらに同社は、「Marketo ABM」(米国では2016年9月に、日本では2017年3月に発表)を打ち出し、次世代プラットフォームの「Orion」や新プロジェクトの「Mercury」に大規模な投資を進めている。
2017年3月8日に開催した「BtoBセールス&マーケティングカンファレンス2017」のために来日したProduct & Segment Marketing担当VPのMatt Zilli氏に、「エンゲージメントエコノミー」に込めた思いやプロジェクトの進捗について聞いた。
記事構成は冨永 裕子=ITアナリスト)
エンゲージメントエコノミーについて
マルケトが提唱する「エンゲージメントエコノミー」とは具体的にどのようなものか?
「単なるマーケティング戦術やマーケティングメッセージの提供ではなく、長期的視点から顧客関係の構築をより重視する、今日の企業が運営するべき経済の仕組みのこと」と考えている。
多くの企業では数多くの顧客を抱えている。多くの顧客との関係作り(エンゲージメント)は、テクノロジーの力を借りないと実現できない。
マルケトがエンゲージメントエコノミーを提唱するに至った理由を教えてほしい。
現在、市場では三つのことが起きている。「顧客が企業と取引しようとする際、企業との対話の前に自分で調べるようになってきたこと」「企業にとって顧客とのタッチポイントがどんどん増加していること」「顧客の企業への期待値がどんどん増加していること」だ。