米Tealium(ティーリアム)は、クラウド型のデータ管理サービスを提供するベンダーである。同社は、顧客情報の収集を目的に、企業がWebページやモバイルアプリに埋め込む「タグ」を管理するための「タグマネジメントシステム」を手がけてきた。米Googleや米Salesforce.comといったサービスベンダーごとに異なるタグを、企業の担当者が使いやすいインタフェースで設置し、管理できるようにするものだ。複数ベンダーのデータを連携させるデータハブの機能を備えているところが特徴で、既に900のベンダーが扱うデータをやり取りできるという。

 2014年9月に日本法人のTEALIUM JAPAN(港区)を設立し、2015年10月に主力となるソリューション「Tealium Customer Data Platform」(CDP)の国内での提供を開始した。日本法人の人員は、設立当初の1人体制から現在では10人体制へと増えた。米TealiumのChief Innovation Officerであるジェイ・キャラバス(Jay Calavas)氏に、同社が提供するソリューションの特徴と背景を聞いた。

(聞き手は松本 敏明=ITproマーケティング、記事構成は日川 佳三))


CDPについて答える、米TealiumのChief Innovation Officer(CIO) ジェイ・キャラバス(Jay Calavas)氏
CDPについて答える、米TealiumのChief Innovation Officer(CIO) ジェイ・キャラバス(Jay Calavas)氏
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Tealium Customer Data Platform(CDP)は、どのようなソリューションなのか。企業が抱えるどのような課題を解決できるのか。

 企業のマーケティングデータは、これを利用するサービスやアプリケーションごとにバラバラに分散している。これらのデータをリアルタイムに統合する機能をクラウド型で提供するのがCDPだ。様々なチャネルから入ってくるデータをリアルタイムに収集し、データの意味を踏まえた上で、サービス同士でデータを連携させられる。

 企業が考えていることはシンプルだ。顧客が何を求めているのかをリアルタイムに把握し、顧客にリアルタイムにメッセージを届けたいのだ。こうした芸当は、従来のマーケティングツールでは実現できない。データが利用するサービスや社内の担当部署ごとにサイロ化・断片化しているからだ。

 従来では、仮に複数サービスのデータを統合できたとしても、それはバックエンドで動作するバッチ処理で対応するしかなかった。リアルタイムには統合できなかったのだ。CDPなら顧客のWebサイト上での振る舞いなどの“ファーストパーティー”のデータをリアルタイムに収集し、付加価値を付けてアクションにつなげられる。

 こうした一連のサイクルの中で、米Googleや米Salesforce.com、米Adobe Systems、米Oracle、米IBMといった様々なマーケティングサービスを利用できる。

CDPは、どのような仕組みなのか。

 CDPは(1)データレイヤー、(2)データの収集、(3)アクションの実行、(4)DWH(データウエアハウス)へのデータ格納、という4つの重要な要素で成り立っている。

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