自動化によって機能をいっそう活用できるようになるのは、パソコンだけではない。肌身離さず持っているスマートフォン(スマホ)も、いろいろな機能を自動化できる。

 スマホは、持ち歩いて使う端末であり、ネットワークに接続し、各種の機器と連携して利用できるといった特性から、自動化の対象範囲も広い。そもそも、スマホを使ってイヤホンで音楽を聴いているとき、イヤホンをジャックから抜いたら音楽の再生が一時停止する機能も、標準で用意されている自動化の一種だ。

スマホならではの自動化

 自動化して作業を楽にするには、自動化が作動する「きっかけになること」と、そのときに「動作すること」の内容のセットが決められている必要がある(図1)。

●「トリガー」と「アクション」の組み合わせでスマホを自動化
図1 スマートフォンが特定の「きっかけ」を認識することで、それと結び付けられた「動作」を自動的に実行するようにできる。Wi-Fiなどのネットワークへの接続、ヘッドホンなどの挿抜、写真撮影といったスマホの機能が「きっかけ」になる
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 きっかけになることは「トリガー」とも呼ばれ、スマホに何らかの変化が起こることが条件になる。ネットワークでは、特定のWi-Fiアクセスポイントへの接続やそこからの切断、Bluetooth機器との接続や切断などがある。より明示的なトリガーとしては、近距離無線通信方式「NFC」で利用できる専用タグに、スマホをタッチするという方法もある。

 スマホならではのトリガーとしては、「充電台に乗せる」「ヘッドホンやイヤホンを挿抜する」などもある。さらに、スマホの機能もトリガーになる。内蔵カメラでの写真撮影、GPSなどの位置情報に基づく特定エリアへの出入りなどだ。

 こうしたトリガーとセットにしてスマホの動作(アクション)を設定することで、自動化を実現できる。アクションとしては、「音楽を再生する」「タイマーをオンにする」「着信音量を消す」など、いろいろある。ネットワークの設定を変更したり、トリガーに従ってメールを送信したり、任意のアプリを起動したりといったことも可能だ。

 例えば、「充電台に乗せる」→「タイマーをセットする」と組み合わせれば、寝過ごし防止に効果がありそう。会社近辺の「位置情報」から「メール送信」をすれば、自分専用の出退勤記録を自動保存できる。トリガーとアクションの組み合わせはアイデア次第だ。