周りが認めるほどまじめに仕事をしているが、思うような成果を上げられず残業が増える一方――という人は珍しくありません。このままだと、「まじめだが、できない奴」というレッテルを貼られてしまいます。また、成果は出しているが残業が減らない人も、結構いると思います。できる人であっても、「いままで以上に時間を有効に使い、もっと成果を上げたい」と考えているかもしれません。

 今回は、これらの問題を解決するカギとなる「パレートの法則」(「80対20の法則」と呼ばれることもあります)で考える仕事術を説明します。時短テクニックにもつながりますので、参考にしてみてください。

できない人はなぜ、ルーチンワークに時間をかけるのか

 できる人ほど重要な仕事に時間をかけ、できない人ほどルーチンワークなどの単純作業に時間をかける傾向がある――。これを聞いて、頷かれる人もいるのではないでしょうか。

図●パレートの法則を仕事に当てはめると、「上位20%の重要な仕事がうまくいけば、80%の成果が確保できる」ということになる
図●パレートの法則を仕事に当てはめると、「上位20%の重要な仕事がうまくいけば、80%の成果が確保できる」ということになる
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 これは、多くのビジネスパーソンが知っている「パレートの法則」で考えてみると分かります。この法則を仕事に当てはめると、「重要度が高い上位20%の仕事が、成果の80%を生み出している」ということになります()。

 仕事ができる人は、パレートの法則を理解しています。そのため、あまり成果につながらない単純作業は、できる人ほどしたがりません。実際、簡単な仕事をアシスタントや部下に任せて、自分にしかできないプロジェクトやプレゼンなどの重要な仕事に集中して、成果を上げている人もいます。簡単な仕事も、すばやく仕上げてしまいます。こうした工夫により、重要な仕事にかける時間を確保しているのです。

 一方できない人は、簡単な仕事に時間をかける傾向があると思います。簡単に達成感が味わえるため、ついつい時間をかけて丁寧に仕上げがちだからではないでしょうか。逆に、重要な仕事は難しいため、なかなか取りかかろうとはしません。しかしこれでは、できる人より重要な仕事にかける時間が少なくなり、完成度が低くなってしまいます。最悪の場合、期日に間に合わないことも起こり得ますし、いつまでたっても思うような成果を上げられず残業が減りません。

 つまり、簡単な仕事は最短の時間で仕上げ、上位20%の重要な仕事の時間をしっかり確保できるよう心がけることが、できる人への第一歩といっても過言ではありません。

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