無線LAN製品選びの鉄則
【その1】迷わず802.11ac対応製品を選択
【その2】ストリーム数とアンテナ数にこだわる
【その3】規模や構成に合わせてコントローラーを導入する

 企業向けの無線LAN製品市場は、ここ1年で大きく変わった。主流が、IEEE(アイトリプルイー) 802.11n対応製品から次世代のIEEE 802.11ac対応製品に代わりつつある。802.11acの規格上の最大通信速度は約7Gビット/秒と、802.11nの600Mビット/秒に比べて10倍以上になる。ただ、802.11n製品から802.11ac製品に入れ替えても、あまり速くならないケースも多い。そうした事態を避けるためには守るべき鉄則がある。

 無線LANの製品選びの鉄則は、(1)迷わず802.11ac対応製品を選択、(2)ストリーム数とアンテナ数にこだわる、(3)規模や構成に合わせてコントローラーを導入する──である。順番に説明しよう。

下位規格との親和性が高い

 鉄則1「迷わず802.11ac対応製品を選択」から見ていこう。

 無線LANの製品選びではまず、どの規格に対応した製品なのかを決めなければならない。2014年以降発売された企業向け製品のほとんどは、802.11nか802.11acに対応している。すると選択肢は802.11n製品か802.11ac製品のいずれかになる。

 802.11nより前に登場した802.11aや802.11gでは、規格ごとに2.4GHz帯か5GHz帯に分かれていた。そのため、無線LANのクライアントの対応規格に合わせてアクセスポイント(AP)を慎重に選ぶ必要があった。

 これに対し802.11nは2.4GHz帯と5GHz帯の両方に対応している。802.11acは規格上、5GHz帯だけに対応するが、ほとんどの802.11ac製品は下位規格に対応し、さらに2.4GHz帯と5GHz帯の両方をサポートしている。このため、クライアントの対応規格を気にする必要はない(図2-1)。

図2-1●無線LANの規格上の最大通信速度と使う周波数帯
図2-1●無線LANの規格上の最大通信速度と使う周波数帯
新機能の採用や機能の拡張によって、最大通信速度が大幅に向上している。規格ごとに利用できる周波数帯が決まっているが、802.11n以降の製品のほどんどは、下位の規格にもすべて対応し、2.4GHz帯と5GHz帯の両方を利用できる。
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