ネットワーク機器を選択するのは難しい。メーカーはサイトやカタログに売り文句中心の製品情報を載せているからだ。このため、ユーザー企業が自社の環境に合わせて製品を見極める力が求められる。そこで、製品選択のプロであるインテグレーターの力を借りて、ファイアウオール/UTM、無線LAN機器、ルーター、スイッチの4ジャンルについて、ネットワーク機器選びの“鉄則”を紹介する。
ネットワーク機器選び プロの鉄則
目次
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Part 4 スイッチ
3層構造を避けシンプルな2階層に アップリンク用に10GbE対応が必要
スイッチは、クライアントパソコンなどの端末を集約して、ルーターやファイアウオールにつなぐ役目を担う。スイッチの基本機能は“枯れた”技術であるため、カタログに記載されている値はかなり信用できる。それでも、スイッチの製品選びにも鉄則はある。(1)シンプルな2階層構成を検討、(2)アクセススイッチでも1…
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Part 3 ルーター
使う機能でスループットが大きく変わる 暗号化処理の実現方法に注意
ルーターは、インターネットや通信事業者の閉域網などのWANと社内ネットワークをつなぐネットワーク機器だ(図3-1)。ルーターの基本機能は、IPパケットの中継である。実際に企業が使う場合は、それ以外の様々な機能を組み合わせて活用するケースが多い。その場合、基本以外の付加機能をどれだけ使うかによって製…
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Part 2 無線LAN
今なら11ac対応製品を選ぼう 小規模向けコントローラーも視野に
企業向けの無線LAN製品市場は、ここ1年で大きく変わった。主流が、IEEE(アイトリプルイー) 802.11n対応製品から次世代のIEEE 802.11ac対応製品に代わりつつある。802.11acの規格上の最大通信速度は約7Gビット/秒と、802.11nの600Mビット/秒に比べて10倍以上にな…
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Part 1 ファイアウオール/UTM
必要な機能を見極める 導入前に自社で実際にテストしよう
ネットワーク機器の製品選びで最も慎重になるべきジャンルは、ファイアウオール/UTMである。機能が多彩で、そのオン・オフによって実効性能がカタログ値から大きくずれる場合が多いからだ。そのうえ、製品選びに失敗すると、インターネットへのアクセスが遅くなったり、外部からのサイバー攻撃を受けやすくなったりす…
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Prologue
カタログの売り文句に踊らされるな 機種選定の鉄則をプロに学ぶ
網々商事のシステム課長であるAさんは、4年前に導入したファイアウオールのリプレイスで悩んでいた。機種選定のために、メーカーのWebページで製品情報を見たり、カタログを取り寄せたりしたが、どれが自社にとって“最適解”かがわからない。「より高速になった」「最新のセキュリティ機能を搭載」「つなぎやすさを…