早いもので連載開始から1年以上が経過し、今回が最終回となりました。
連載開始当初は、Web動画やネット動画CMがあちこちで話題になり、注目が集まっていました。最近は、少し落ち着いてきたように思います。それだけネットでの動画利用が「より当たり前のものになった」ということでしょう。
今回は最終回として、最近の動画制作周りや動画配信周りの中から、ネット動画の少し先を変えそうなトピックを二つ紹介したいと思います。
それから、これまでの連載を振り返るサマリーを記して、最終回といたします。
4K動画の可能性 動画制作がラクになる
iPhone 6s以降、iPhoneの動画撮影機能に4K(横4000×縦2000前後)の解像度が加わりました。また、コンパクトデジタルカメラの中にも4K動画を収録できるものも増えてきています。動画の撮影をする際の「ごく普通の選択肢」として、「4K動画」が位置づけられるようになりました。
たった数年前に4K動画といえば、映画撮影用の特殊で大変高価なシステムでしか撮影・編集できないものでした。映像技術の進歩(変化)には、相変わらずすさまじいものを感じます。
4K動画のフレームサイズを正確にいうと3840ピクセル×2160ピクセルです。ハイビジョン(1920×1080ピクセル)の縦横2倍で、面積は4倍です(ただし実際には、4Kの解像度には撮影編集システムによって、いくつかのバリエーションがあります)。
当然、画質はハイビジョンよりも高く、同じサイズで見比べても解像感(描写の細かさ)は一目瞭然です。そして動画制作を考えたときに、この面積4倍効果は画質が高い以上の大きなメリットをもたらしてくれます(図1)。