これまでiPhoneでの動画撮影を一通り解説してきました。今回は、iPhoneを使った動画編集の基本を解説していきましょう。
iPhoneの動画編集アプリには多様な種類がありますが、本連載ではAppleの純正動画編集アプリ「iMovie(iOS版)」を前提にして解説していきます。
iPhoneのためのiMovieは、2013年9月1日以降にアクティベートまたは購入されたデバイスで、かつiOS8がインストールされた端末へは、無償で提供されています(詳しくはAppleのインフォメーション:https://support.apple.com/ja-jp/HT202794をご覧ください)。これらの条件を満たさない場合でも、AppStoreで購入できます(価格は原稿執筆時点で600円です)。
動画の編集とは何か?
動画の編集とは何をすることでしょうか?
おおまかに言えば、撮影した動画の「パーツ」を組み立てて、1本の動画にすることです。実際の作業は、次の2段階に分けるとわかりやすくなります。
1)ふるいにかける(プレビュー)
撮影した動画の「パーツ」の中には、「OK」「NG」「どちらとも言えない」の3種類があります。撮影した時にはOKだと思っていたのに、後で見返すといまひとつ気にいらなくて、NGと思っていた別のテイクのほうが良かったといった場合もあります。
編集の第一歩は、撮影した動画をよく見てみることです。この作業は「プレビュー」と呼ばれ、編集のための準備としてはとても大切です。
明らかにNGなものは捨て、どちらとも言えないものは、OKなのか、NGなのかを判断します。
映像だけではなく、音もちゃんと録れているか、チェックしましょう。
プレビュー作業は撮影時を反省する良い機会でもあります。カメラが被写体から離れすぎていて声が聞き取りにくくなっていたとか、カメラが被写体動きに今一ついていけなかったとか、レンズがよごれてしまっていたとかいったことがよくあります。これら致命的な失敗とはいえないものの、気をつければもっと良い動画を残せたという反省点が、プレビュー作業の中で見つかるはずです。
2)残ったものを組み立てる(編集本番)
こうして、ふるいにかけた動画のパーツを組み立てていくのが「編集」です。iMovie(iOS版)を使った編集では、以下のことができます。
・動画パーツを順番通りに並べる
動画編集の基本的な作業です。見せたい順番に動画をつなげていきます。第5回で紹介したような構成を撮影前に書いている場合は、それを参考にしながら作業を進めましょう。
インタビューを編集する場合は、収録したコメントをいったん文字に書き起こしてみて、使いどころや順番を検討するといいでしょう。
・動画の入れ替え、削除、分割
一度読み込んだ動画の順番を入れ替えたり、削除、分割などができます。動画の始まる位置や終わる位置を調整することもできます。