「全部門、全社員がデータを共有して経営判断に生かしている」――。メガネスーパー取締役執行役員の束原俊哉戦略本部長はこう話す。同社では、全国に展開する約300店舗の店長、本社のマーケティング、事業推進、店舗開発といった部門の担当者がBIツールを使って、データを分析して課題を発見し、対策を講じている。

 同社が成功を収めることができたのは「データはみんなのために」を徹底したことにある。同社では、各店舗の店長や各部門の担当者が店舗のPCで、店舗の営業成績を示す粗利率や客単価などのKPI(重要業績評価指標)を分析できる。全社員にデータが開示されているため、「自分で課題を発見して、対策を提案できる」と束原戦略本部長は説明する。

 同時に、各店舗の店長が、他店舗や他エリアのデータを閲覧できるようにした。店舗やエリア別に店長たちの競争意識が芽生えさせるためだ。「こちらが指示をしなくても、店長自らがデータを基に、その店に適した販売施策などを考えるようになった」(束原戦略本部長)という。

 メガネスーパーでは、毎週月曜日に全部門から100人以上参加する「アクション会議」を小田原の本社で開く(図3)。10時間以上にわたって、各部門の担当者が抱える課題について経営陣を交えて対策を検討する。「データを共有して、経営陣と現場や各部門が議論する」(束原戦略本部長)。

図3 メガネスーパーの全社的データ活用
現場も経営層も、KPIで全社員が“経営判断”
図3 メガネスーパーの全社的データ活用
[画像のクリックで拡大表示]

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。