前回は、急遽購入したYOGA BOOKの話をしましたが、前々回の記事で解説した、デュアルSIMについて実機で調べてみたので、今回はその話をすることにしましょう。

 前々回にちょっと解説したように、デュアルSIMスマートフォンは、以前はLTE対応の機種でも、もう一方がGSMにしか対応しておらず、実質上国内で利用できない状態でした。しかし、最近では、何機種か、一方のSIMでLTE、もう一方のSIMで3G(W-CDMA/UMTS)で接続できる機種が登場しています。以前にも、ソフトウエア上の問題なのか、裏技のような設定をすると、LTEと3Gで接続できる機種というのがあったようですが、現在出荷されている機種は、最初から仕様としてLTE/3G接続が可能になっています。

 何が便利なのかというと、データ通信を行うLTE側にMVNOの安価なSIMを使い、音声のほうに3G契約のFOMAのSIMを使うことで、安価なランニングコストと事業者のサービスを両立させることができる点です。

 現在の事業者のプランは、LTEでは、データと音声を組み合わせたプランのみで、どちらかというと大量にデータ通信を行う人向けです。また、家族など複数契約がある場合に有利で、データ通信を使わない家族だと、かなり「損した」感のする契約内容でしかありません。それに対して3Gの契約は、音声のみのプランがあり、基本料金が1000円以下、しかも家族間無料通話や無料通信分があるなど、現在のLTE契約からみると、ちょっとお得な感じもあります。

 しかし、3G契約は、利用できる端末が限られているという問題があります。筆者が利用しているNTTドコモの場合、3G契約で利用できる端末は、いわゆるガラケーに限られていて、スマートフォンのほとんどがLTE契約のSIMでないと利用できません。この制限、詳しいことはわかりませんが、市販のSIMフリー機でもそうなので、端末側というよりもネットワーク側で制限をかけているように見えます。もちろん、事業者にすれば、トットとLTEに移行しろという気持ちなのでしょうが、毎月使いきれないデータ通信量に高額な料金を払う気は、筆者にはサラサラありません。

 実際、毎月1Gバイト程度あれば、筆者は問題を感じません。筆者宅では、カーナビが壊れたので、Androidのタブレットをナビ代わりにしていますが、So-netのゼロSIMを使うことで、毎月の支払はほとんどしないで済んでいます。また、iモード契約のあるガラケーもあるのですが、2つの契約がそれぞれ持つ無料通信分でパケット代や通話量もまかなえています。

 もっとも、筆者は、モバイルネットワークで動画を見たり、音楽をストリーミングで聴く趣味はありませんが。そういうわけで、最近のLTEと3Gで同時に待ち受けが可能なデュアルSIMスマートフォンは、筆者を、いわゆる「2台持ち」から解放してくれました。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。