総務省の「モバイル創生プラン」の基本的な考え方
総務省の「モバイル創生プラン」の基本的な考え方
SIMロック解除やMVNOの推進、4Gなどの一連の施策がここにある。なお他のページではMVNOのHLR/HSSアクセスに関しても触れている。オレンジ色のマーカーは筆者によるもの
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総務省「モバイル創生プラン」(2014年10月)はこちらで参照できる

 5月から、総務省の指導により「SIMロック解除の義務化」が始まりました。携帯電話の事業者(Mobile Network Operator:MNO。以下MNOと略します)は、今後は、この方針に従い、販売した携帯電話やスマートフォンのSIMロックを解除しなければなりません。

 しかし、これって、一体何がメリットなのでしょうか? 総務省が出している「SIMロック解除に関するガイドライン」(平成26年12月改正)を見ると…

 海外渡航時に渡航先の携帯電話会社のSIMカードを国内から持参した端末に差し込んで使用したい、携帯電話番号ポータビリティを利用して役務契約を締結している事業者を変更する際にこれまでの端末を使用したいなど、携帯電話利用者(以下「利用者」と言う)の中にはSIMロック解除に対する要望が存在した。

 とあり、海外渡航先での現地SIMの利用と携帯電話番号ポータビリティ(MNP)時の端末流用が理由として挙げられています。しかし、海外に行く人は限られ、2013年で1,747万人(日本人海外旅行者数。観光庁)で、さらに現地でSIMを購入する人はさらに限られます。また、MNPによる事業者変更を行う人も、最も転出が多いNTTドコモでも2014年にはマイナス38万人程度なので、全事業者を合わせてもこの倍である76万人には届かない程度と推測されます。つまり、海外に行った人が全員現地でSIMを買って、MNPしたい人が全員手持ちの端末をそのまま使いたいと思ったとしても、最大で1,800万人程度の人にしか恩恵がありません。つまり、日本人の2割ぐらいにしか恩恵がないのです。

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