「今後2~3年で更新を迎える基幹情報システムは、原則としてAWSを中心としたクラウドへ移行する」。
ファーストリテイリングの玉置肇グループ執行役員CIO(最高情報責任者)はこう宣言した(写真1)。米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の日本法人アマゾン データ サービス ジャパンのイベント「AWS Summit Tokyo 2015」の、2015年6月2日の基調講演での一幕だ。
ファーストリテイリングは「ユニクロ」や「ジーユー」などの衣料品専門店を世界展開している。AWSの活用は2011年に若手社員主導で草の根的に始まった。
2011年末時点でのAWS上での利用は10インスタンスだったが、その後急拡大し、2015年末には2000インスタンスを超えそうだという(写真2)。現在AWSを活用しているのは基幹系ではなく、一般消費者向けキャンペーンなどの分野が中心だ。特にセールの告知に重宝しているようだ。
負荷予測という“占い”からの脱却
玉置CIOは「私は20年ほどITの分野で仕事をしてきたが、サーバーのサイジングは一番頭を悩ませる問題だ。特に一般消費者向けキャンペーンによるアクセスの負荷予測は“占い”のようなもので、当たった試しがない。ところがAWS環境を使えば難なくさばける」と話した。